第29話 祝勝会と次の目標
「みんな〜、テスト後の祝勝会だ〜!お疲れ様!乾杯!」
「「「乾杯!」」」
「いや〜、まさかあっきーがほんとに50位以内に入るとは思わなかったよ。」
「私もです。先輩の成績は真ん中ぐらいだと聞いていたのでこの勝負は買ったと思ったのですが...」
「おい確信犯!てかその情報リークしたの誰だよ!」
「まぁまぁいいじゃないか。結局明が勝てたんだしさ。」
俺たちは今ファミレスに来ている。無事俺と俊介と陽華は50位以内入り、美結は赤点回避をした。そのためこうして祝勝会が開かれたわけだ。
〜回想〜
その日俺たちは3人で登校していた。
「ねぇねぇ。そういえば今日がテストの結果の開示日だよね。」
「そうだね。」
「みんなで見に行こうよ!あっきーがほんとに50位以内に入ってるかどうか確かめにさ。」
「そうだな。俺も気になることだし。」
こうして俺たちは掲示板のところに向かった。
「結構な人だかりだね。」
「こんなに50位以内いるわけないでしょ。」
「誰が入るかは気になるんじゃない?」
「皆さんおはようございます。」
話しかけられ振り向くとそこにはお姫様...もとい陽華がいた。
「おはよう。」
「おはよ〜。これから掲示板見に行くんだけど一緒に行く?」
「はい!ご一緒させてください!」
「よし決まり!4人で行こう!」
掲示板の前に行くとそこには紙が張り出されていて
『1位 日比野陽華 872点』
1年生のとこには堂々と1番前に陽華の名前があった。
「よし!」
陽華が小さくガッツポーズをしている。
「さすが陽華ちゃん!すっご〜い!」
「ありがとうございます。」
「僕らはどうかな。」
「お前はどうせ1桁だろ。」
そして2年生の方を見ると
『4位 藤堂俊佑 813点』
「4位か〜。」
「しゅんくんすご〜い。カッコイイ!好き!」
「ありがとう、美結。」
「相変わらずお前はすげーな。」
「どうせ明もすぐ追いつくよ。」
「さて先輩はどうでしょうか。」
「もっと下の方だよ。」
下の方から見ていくとそこには
『45位 本田明 743点』
「載ってるな。」
「うそ、まじなの...」
「だろうと思ったよ。あと美結、さすがに明が可哀想だよ。」
そうだぜ。美結も俊介を見習えよ。さてさっきから静かな陽華はというと
「どうした?そんなに震えて?」
俯いて震えていた。何かあったのだろうか?そう思っていると
「先輩すごいです!」
陽華が抱きついてきた。なんとか耐えたがすごい勢いだった。
「先輩はさすがです!約束通り50位以内になりました!」
「そりゃぁな。」
「先輩はカッコイイです!惚れ直しました!」
「そうか。それで恥ずかしいからもういいか?」
陽華の興奮っぷりは凄まじく10分以上抱きついたままだった。
「あの時の陽華ちゃんのはしゃぎっぷりはすごかったよね。」
「あんな日比野さんを見たのは初めてだったよ。」
「忘れてください!今すぐに!」
よっぽど恥ずかしかったのだろう。すでに耳まで真っ赤になっている。
「コホン。さて、無事明先輩が50位以内入りしたので次の目標を決めたいと思います。」
「まだやるの〜?」
「継続は力なりですよ。」
「あっきーまで遠くに行っちゃう〜。」
「なんなら、美結も目標設定する?」
「結構です!」
「即答かよ。てかまだテスト終わったばっかなのにもう次のテストの事考えるのかよー。」
「当たり前です。」
「はぁ。」
「あっきーふぁいと〜。」
「他人事だと思って。」
「だって他人事だし。」
ぐうの音も出ねぇ。
「次は30位以内を目指しましょう!」
その後俺たちは祝勝会をめちゃくちゃ楽しんだ。
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