第28話 テストの出来栄え

 勉強会からしばらくした後のテスト後、俺は俊佑と美結と喋っていた。

「今回のテストはどうだった?」

「いつも通りかな。」

「お前のいつも通りはダメだろ。」

 俊佑は常にトップ争いをしているからいいが美結のいつも通りはダメだ。

「何よ!だったらあっきーはどうなの!」

「俺はぼちぼち...」

「ほらあんたも人のこと言えないじゃ...」

「50位以内かな。」

「「....えっ?」」

 そこでハモるなよ。

「嘘でしょ。あっきーが50位以内なんて...嘘だと言ってよぉ!」

「悪いが本当だ。だからそんな涙目はやめろ。」

「もしかしてまた陽華さん関連かい?」

「当たりだ。今回のテストで俺が50位以内に入るか入らないかの勝負をしてたんだ。」

「だからってそんな簡単に取れないでしょ!50位以内だよ!トップだよ!分かってる!?」

「お前は俺をなんだと思っていやがんだよ!」

「まぁ明の場合はいつ本気出すかだけだったからあまり驚きはないけどね。」

「さすが俊佑...俺の才能を見いだしていたのか!」

「ただ、本気を出すのがもう少しあとだと思ってたから驚いてるよ。」

「お前も驚いてんじゃん!」

 俺の感動を返せよ。

「でもでもまだ結果が帰ってきてないからまだ分からないよね!」

「いや、明のことだから普通に入ってると思うよ。」

「え〜。」

「美結。お前後で説教な。」

「やだよ。」

「逃げるなこら。」

 俊佑の後ろに隠れやがって。手が出せねぇじゃねぇか。

「落ち着いて2人とも。それじゃあ僕と明と陽華さんが50位以内に入って、美結が赤点回避したら祝勝会でもやろうか。」

「さんせーい!」

「異論はない。」

「後は陽華さんだね。」

「あいつは俺が行くなら来るから問題ない。」

「そ、そう。」

「すごい自信だね...」

 なんでこいつらこんな反応なんだ?まぁいいか。

「せんぱーい!帰りましょう!」

 教室の前に陽華がやってきた。

「祝勝会の予定はまた後日話そうか。」

「そうだな。これから陽華と帰るし。」

「私たちもこれからデートするから!」

「もうグループRINE作るか。」

「そうだね。そこで話そう。」

「了解。」

「またね、あっきー、陽華ちゃん!」

「はい!またねです!」

「またな。」

 こうして俺たちはそれぞれ帰路に着いた。

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