第21話 提案

 初休日デートが終わってしばらく経った。俺と陽華の付き合い騒動も一応ひと段落着いた。こうして俺の日常は戻るはずだったのだが...

「テストめんどくせぇー!」

「あっきーに賛成。テストやりたくなーい!」

「二人とも少しはがんばりなよ。」

 そう!もう少しでテストがあるのだ!マジでやりたくない。

「だってさ〜、テスト勉強のせいで趣味の時間が削れるんだぜ?嫌に決まってるだろ!」

「そうだ!そうだ!あっきーもっと言ってやれー!」

 俺と美結は勉強があまり好きではない。ならなんで進学校に行ったんだと言われると周りから言われたに過ぎない。それでよく受かったものだと思うよ。

「お二人は勉強が嫌いなんですか?」

「もちろんだとも!」

「そもそも勉強が好きな人なんて都市伝説なんだよ!」

「息ピッタリですね。」

 そんな言葉とともにため息をこぼしたのは俺の彼女である日比野陽華だ。

「陽華は勉強好きなのか?」

「好きではないですが嫌いでもないですよ。」

「なん....だと......!?」

「そのリアクションにどう反応していいんですか?」

「なんか今日辛辣じゃない!?」

「そうですか?」

「そうだよ!」

「そうですか。」

 なんかいつもより反応が薄い。そう思ったのは俺だけではないようで

「明が何かやったのか?」

「陽華ちゃん大丈夫?」

 などと俊祐と美結が聞いている。....初っ端から親友疑うのやめようぜ。

「大丈夫です、少し考え事をしているだけなので。」

「そうか。」

「困ったことがあったら言ってね!相談に乗るから!」

「はい。頼りにしています。」

 二人は頼りにされてるなぁ、と思っていると

「もちろん先輩も頼りにしてますよ。」

 と笑顔で言われた。俺の彼女はよくできた子です。





 その日の放課後、陽華と帰っていると

「先輩、お話があります。」

「なんでしょうか?」

 ちょっと真面目に言われたので真面目風に返してみた。

「実はですね、お勉強会をしたいと思っておりまして。」

「お勉強会ですか?」

「はい。先輩は勉強があまり好きではないとお聞きしたので、誰かと一緒に勉強すれば勉強を楽しめるのではないかと思い聞いてみました。」

「なるほど。そういうことですか。それでこのしゃべり方はいつまでやるのですか?」

「もう面倒臭いからやめよ!」

「はーい。」

「それで勉強会はどう?」

「行く人によるな。」

「もちろん、私と先輩の二人きりですよ♪」

「なら行こうではないか!」

「やたー♪今週の土日でいい?」

「空いてるからいいよ。場所は?」

「どっちかの家でやろうと思ってるんだけど先輩の家はダメですか?」

「散らかってるから却下!」

 即答だった。

「じゃあ私の家ですね。午前中に来てください。お昼は作るので弁当はなしでいいよ。」

「おけ。」

「楽しみにしてますね♪」

 こうしていつの間にか彼女の家に初めて上がることになった。

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