第17話 休日デート③
服屋から出るとすでに昼前になっていた。約2時間も経ってたんか。時間の流れが早く感じる。
「そろそろお昼にしない?」
「いいぞ。お腹すいてきたしな。どこか行きたいとこあるか?」
「うーん。ここのフードコートっていつも同じだよね。」
「そりゃそうだろ。」
「スガ〇ヤ行きたい!」
「好きなん?」
「はい!特にアイスクリームが美味しいんですよ!」
「もともとスガ〇ヤは甘味処だしな。」
「そうなの!?知らなかった!」
「こういう雑学は豊富なんでね。」
二人で列に並ぶ。
「先輩は何にするか決めた?」
「ここは無難にラーメンだろ。」
「何言ってんの!ここは野菜ラーメンでしょ!」
理不尽に怒られた。
「でも俺はラーメン好きだし。」
「ここの野菜ラーメンは野菜が沢山のっててヘルシーなんだよ!」
「ラーメンって時点でヘルシーじゃない気がするけどな。」
「あえて考えなかったとこなのに!美味しいからしょうがないじゃん!」
「そうだな。」
そして俺はラーメンとイチゴクリーム、陽華は野菜ラーメンとチョコクリームを頼んだ。
「美味しい〜♪」
「よかったな。」
「はい!」
俺たちはラーメンを食べ終え、デザートを食べている。
「やはりチョコを作った人は天才です!」
「大袈裟じゃね?あとゆっくり食べろよ。」
「事実です!......いっっった!」
「言わんこっちゃない。」
陽華は一気に食べすぎてアイスクリーム頭痛を引き起こしたらしい。注意したのに...ま、そこも可愛いけどな。
「先輩もひと口食べます?」
「いや俺は...」
と言いかけたところで止まる。なんと陽華がチョコクリームをスプーンを俺に向けて差し出してきた。さっきまで自分の食べていたスプーンを、だ。
「はい、あーん。」
「陽華さん。その手は?」
「先輩が食べるんですあーんしてるだけですよ。」
どうやら間接キスのことは気づいてないらしい。ここは言うべきか...
「早く食べてよ〜。クリーム溶けちゃうよ〜。」
「はい。」
恥ずかしくて言えるわけねぇだろ。
「あ、あーん。」
口にはアイスクリームの冷たさとチョコの濃厚さが広がりとても美味しいです。恐らく今の俺は顔が真っ赤だろうな。
「どうですか?」
「非常に美味しいです。」
「ならよかった♪」
「ほら、お返しのイチゴクリームだ。」
先程陽華がやっていたことをし返す。陽華は始め、キョトンとしていたが、意味がわかったのかクリームののったスプーンと俺の唇を交互に見てだんだん顔が真っ赤になった。
「早く食べないと溶けるぞ。」
ここでトドメの一撃を言うと陽華の顔が一段と赤くなった。
「た、たべればいいんでしょ!あーん!」
「どう?美味しい?」
余裕綽々な顔で問いかける。
「はい。」
急にしおらしくなった陽華を見て現実を戻った俺は周りの視線が集まっていたことに気づきいたたまれなくなった。そして俺たちは急いでデザートを食べてフードコートを後にした。
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