第8話 日比野陽華の『一日』

 私、日比野陽華は今日告白しました。相手は中学校の時に同じ部活だったひとつ上の先輩で━━━━━━━私の恩人。とにかく押しまくって告白に成功した!もう飛んで喜びたい気分です。成功するか不安だったけど何とかなった!しかも連絡先まで交換したし!!!なんか一生分の幸せを使った気がする。いやまだこれから先輩と楽しんでもっと幸せになる!でも...

「はぁ、はしたない子だと思われてないかな?」

 今日の放課後は先輩とデートした。あっ、ダメだ。デートって単語で顔がにやけちゃう。しっかりしないと。

 人気のカフェでスイーツが美味しいという話を聞いて気になっていたところだ。そこで私は先輩に━━━━━━━

「あーんしたし、されちゃったんだ...」

 あの時はテンションが上がりまくってたせいで気にならなかったけど冷静になるとすごい恥ずかしい。よく先輩はできましたね。私なら恥ずかしくてできません。それに━━━━

「やっぱ先輩はカッコイイなぁ。」

 帰り際に『俺でよければ存分に使ってくれ。』だって!何!神なの?カッコよすぎでしょ!!あの時の先輩の照れた顔を思い出すだけで愛おしさが込み上げてくる。

「明日からがんばらないとね。」

 私は明日、学校で先輩との交際を公表するつもりだ。やっぱり好きな人との時間は多い方がいいしね。そうなると学校で一緒にいるのがいいから、公表すればなんの問題もなく先輩と一緒にいれるもんね。あと先輩を誰かに取られたくない。そうと決まれば明日のために早く寝よう。

「おやすみなさい、先輩。」

 そうして最愛の人の名前を呟いて眠りに落ちていった。

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