第6話 初放課後デート

カランカラン

「結構オシャレだね。」

「そうだな。」

俺たちが入ったのは駅前にある小洒落たカフェだ。初めて入るな。

「わぁ、美味しそう!」

お隣の陽華は店内よりスイーツの方が気になるようだ。店員の案内で俺たちは席に着いた。

「陽華は何食べるのか決まってるのか?」

「ショートケーキとガトーショコラで迷ってるんだよね〜。」

「俺ガトーショコラでいいか?」

「いいんですか!?」

「もともとチョコは好きだしな。」

「じゃあ私はショートケーキ頼もうっと。一口ちょうだいね♪」

「いいぞ。」

こんなに表情が変わる陽華は初めて見たな。年相応でより魅力的だな。そうして店員に注文してからも俺たちは喋っていた。





「お待たせ致しました。ご注文のショートケーキとガトーショコラでございます。」

「美味しそ〜!」

「ごゆっくりお楽しみください。」

陽華はケーキの写真を撮りまくっている。微笑ましいな。

「先輩!一緒に写真撮りましょう!」

「唐突だな!」

「今思いついたので!」

......こいつ、案外ポンコツだったりするのか?

写真を撮られるのはあまり好きじゃないんだがこんな顔でお願いされたら断れないよな。

「分かった。」

「やたー♪」

それぞれケーキを持ってツーショット写真を撮った。

「えへへ。これは永久保存版ですね。」

「いや俺の笑顔引きつってない?」

「可愛いので問題ないです!」

「男に可愛さはいらないよ!」

「これLAINのアイコンにしよ!」

「俺の話は無視かよ!」

なかなかにツッコミが疲れるな。...でも嫌じゃないな。それにこの笑顔が見えただけでもよかったって思えてしまう。

「食うか。」

「だね!」

「「いただきまーす。」」

パクっもぐもぐ

「「美味っ!!!」」

「甘すぎない生クリームに程よい酸味のある苺、そしてフワッフワのスポンジ。このショートケーキめっちゃ美味しいです!」

「ガトーショコラは苦味の中に甘さがあって全くくどくなくて食べやすい!」

「先輩、ショートケーキ食べたいですか?」

「そうだな、一口貰うよ。」

「あーん」

「!?」

いきなりかよ!てかなかなかに恥ずかしいぞ、これ。

「食べないの?」

ぐっ。食うのは恥ずかしいがあまり待たせるのはよくないよな。

「あ、あーん」

パクっもぐもぐ

「どう?」

「お、美味しいです...」

「よかったです。あっ、私にもください。」

「あ、あぁ。」

えっ、俺が食べさせるの!?なんか餌付けされる猫みたいだな。

「あーん。」

「あーん。」

パクっもぐもぐ

「美味しい!」

「そうか。よかったな。」

俺のHPは瀕死だよ...

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る