第5話 彼氏と彼女

 そんなこんなでできた初めての彼女を見る。彼女は中学の時からその可愛らしさで校内の有名人だったし、高校でも一年生ながら全校の注目の的だ。そんな子が俺を好きだと?何の間違いだよ、ほんと。

「えーと、日比野さん」

「陽華って呼んでください。私たちは恋人なのでそんな他人行儀な呼び方は嫌です。」

「分かったよ、陽華。」

 名前を呼ぶともともと赤らんでいた頬がさらに赤くなった。

「先輩に名前で呼んでもらうのは恥ずかしいですけど嬉しいです!」

「そ、そうか。」

 こっちまで照れてきたな。でもまぁ喜んでくれたならいいか。

「それじゃこっちからもひとついいか?」

「なんでしょうか?」

「敬語はやめてくれ。堅苦しいのは嫌いなんだ。」

「でもなんか悪い気がします。」

「こっちがして欲しいんだ。」

「分かりました。では二人きりのときは敬語は使いません!」

 なんか元気いいな。

「じゃあ帰るか。」

「はい!あっ、連絡先を交換してください。」

「口調。」

「連絡先交換してもいい?」

 なんか切り替え早いな。こっちの方がいいから別にいいけど。連絡先を交換した俺たちは帰路に着いた。

「先輩!どこか寄り道しよ!」

 断る理由もないから俺は頷いた。

「先輩との初放課後デートですね♪どこ行きます?どこか行きたいとこありますか?」

「いやどこでもいいよ。陽華の行きたいところはどこだ?」

「私カフェ行きたい!スイーツが美味しいって有名なんだ〜」

「スイーツか。いいよ。俺も甘いの好きだし。」

「決まり!早く行こ!」

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