第4話 突然の告白

 歩きながら自分が呼ばれた理由について考えていた。実は、俺と彼女は初対面ではないのだ。中学が同じでその時に同じ部活で活動していた。だが、喋ったことはないし接点もないから、なおさら理由がわからない。

 しばらく歩いて学校の中庭にやってきた。ここはあまり人が来ないため秘密の話をするのには最適だ。

 日比野さんがこっちを見る。くりっとした可愛らしい瞳、綺麗で手入れしてあるとひと目でわかる黒い髪の毛、みずみずしくなぜか赤らんでいる頬、小柄ながら抜群のプロポーション。テレビに出てるアイドルに勝るとも劣らない可愛らしさ。ほんと完璧なんだよな。

「それでお姫様、話ってなんだ?」

「お姫様はやめてください。恥ずかしいので。」

なんだ普通の感性じゃないか。

「それで話はですね...」

 おいこら。そんな恥ずかしそうにモジモジするな。こっちも恥ずかしくなるだろうが。 やがて、覚悟を決めたような顔をして日比野さんが口を開いて━━━━━━





「好きです!付き合ってください!」




 ━━━━━━━はい?

 突然のことすぎて理解が追いつかないんだが。えっ、告白された?誰が?俺が?そんなバカな。今まで彼女いたことないし。況や告白をや。いや反語にしなくていいし!とにかく頭の中が混乱してパニクっていた俺は

「人違いじゃない?」

「合ってますよ。本田明先輩。北部中学の卒業生でバドミントン部に所属していました。私の一つ上の先輩です。」

 うん。俺だな。

「いやなんで!?」

 思わず叫んでしまった。

「先輩の努力している姿がとてもカッコよく輝いて見えたからです。」

 真面目に答えてくれるし。すごくいい子なんだろうけど、付き合うとなるとめんどくさくなるよなぁ。特に周りが...でも断るにしてもこんないい子をフルのはちょっと気が引けるというかなんというか。あっ、そうだ。

「付き合ってもいいよ。」

「ほんとですか!」

「ただし、それには一つだけ条件を呑んでもらう。」

「先輩と付き合えるなら何でもします!」

 いや何でもするって言っちゃったよ...まぁいいや。

「僕は君のことをあまりよく知らない。いい子だと思っているけど、好きではいかない。だから、僕を惚れさせること!」

「先輩を惚れさせるですか?」

 そう。断れないのなら相手に愛想をつかせてもらう。ずばり、めんどくさいことを条件にして諦めてもらう大作戦だ!我ながら天才だと思う。

「分かりました!私頑張ります!」

 ........えっ?まじで?

 返答に困っていると

「不束者ですがよろしくお願いします。」

 本日4月28日、そんな訳で彼女が出来ました。

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