第4話 拉麵!!

 金曜日の仕事終わり。

私は夢に向かってペダルを漕いでいた。

そう、明日は休み。ニンニクの入ったラーメンが食べられるという希望に向かって!


 ここで注意しておくのだが、福岡を代表する麺類は博多ラーメンだけではない。

 ソウルフードとしてはむしろ、『うどん』の方に軍配が上がるのである。そして、その中でも不動のレギュラーは『ごぼ天うどん』その名の通り、牛蒡の天麩羅が入っている。そして、これがべらぼうに旨い!

(赤いきつねと緑のたぬきでお馴染みマルちゃんも、九州限定で『バリうま!ごぼ天うどん』という製品をリリースしている。これはうどん愛に他ならない)


 さて、話を戻すと今晩のディナーは豚骨ラーメンと決めていた。そして、たどり着いたのは、福岡県東区にある『博多ラーメン膳 箱崎店』だ。

 ふふふ、私が紹介するのには訳がある。

驚愕のストーリーをお届けしようでは無いか!


 店に入ると『いらっしゃいませぇ! 1名様ですかッ!』と、活気ある挨拶が飛んでくる。実に気分がいい。最高に『はいっ!』ってやつだぁぁあ!

 おほん、店内は明るく清潔感があり、漂う香りは豚骨特有の臭みがなく、旨味すら感じる程に洗練されている。ゆえに大盛況であるのは納得である。

 私は食券を購入し暫く待ったあと、カウンター席に案内された。

 さて、戦闘準備開始だ。

まずはセルフサービスの水を準備、併せてニンニクを一欠片小皿に取ると席に戻った。

そう、ニンニクは無料トッピングで、席にあるニンニククラッシャーを使用するのである。

 さあ、いつでも来るが良い!

『お待たせしました。バリ大盛りです!』

そうそう、説明していなかった。

『バリ』とは麺の固さの指標だ。

 ここ博多のラーメン屋では、固さの順として、主に『粉落とし⇨ハリガネ⇨バリカタ⇨カタ⇨普通⇨やわめ⇨ずんだれ』という階級が存在する。

※店により呼び方が変わる事もあります。

 私は『カタ』が好みだが、『バリカタ』を注文した。さらには、博多ラーメンにおいてセオリーとされる『替玉』を封印し、敢えて大盛りにしている事に疑問を感じた人もいるかも知れない。

 真実はこうだ…

大盛りはたっぷり2玉は入っている。

食べている最中に、バリ⇨カタ⇨普通と、3種の食感の変化を楽しめるのだ!さらに店員さんの手を煩わせる事もない。これこそウィンウィンなのである。

 届いたラーメンから蒸気と共に立ち昇る、かぐわしきスメルは私の視線を釘付けにする。白濁のスープに麺を覆い尽くさんと乗せられた5枚のチャーシューと、散りばめられたネギのコントラストは既に芸術の域であるが、まだ完成ではない。

 そう、紅一点…紅生姜!!そして、更なる風味を胡麻、トドメは先程のニンニククラッシャーッ!!

 …素晴らしい。実に素晴らしい。

私は一心不乱に箸を動かすが、中々減らない麺と、終わりなきこの旨さ!

人類などにあがなすべはない!


 「ご馳走様でした」

さて、満腹になったところで、冒頭の驚愕のストーリーの結末を伝えねばなるまい。

 きっと、アナタは私がチャーシュー麺を頼んだと思っている事だろう。

 ––– 否!

これがノーマルのラーメン(大盛り)なのだ。

 そして刮目せよ!

これが一杯……

    『 380 円 』

大事なことだから、もう一度言うよ?

    『 380 円 』

大盛りじゃ無ければ、

    『 320 円 』


 どうかね? 驚きで口が塞がらない事だろう。ヨダレには要注意したまへ。


 さて、今回も仕事とは関係ない内容だったが、お楽しみ頂けただろうか?

 是非とも福岡で知りたい情報など有ればリクエストをして頂きたい。

   それではまた…お便りします。

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