15:恋の自覚(シエラ)

 ふ~なんか今日は気疲れしちゃったな。


 私は寝室で、寝る支度をしていた。


 モヤモヤすることばっかりだったし。なんでだろ?魔女様こと、イライザさんは見た目に似合わずとても気さくな人だった。そういう意味ではアルバードと同系というか、だからパーティも組んでいたんだろうなと。

 あれから、イライザさんといろいろ話してて楽しかったし、さすが冒険者、いろんな事に詳しくて話題も豊富だったし、お話事態はとても楽しかった。・・・楽しかったんだけど・・・当たり前だけど私の知らないアルバードと過ごしていたんだなって。


 ・・・・・・

 あ、またモヤモヤしてきた。


 「モヤモヤする。」


 「え?何のことでございますか?」


 「あ、やだ!声に出ちゃった!」


 私はあわてて、両手で口を覆ったけど、当然ながら時は既に遅しで・・・


 「・・・姫様、何がモヤモヤするんですか?僭越ながらユーナがご相談になりますよ?失礼ですが、姫様の様子がおかしいことは気付いておりました。」


 「え?・・・そっかユーナには隠し事できないわね。」


 ユーナは、私を小さい時から見てくれているから、私の様子がおかしい事に気付いていたみたい。さすがだな。私は意を決して、ユーナに話してみることにした。



 「あのね、聞いてくれる?」


 「はい、お伺いしますよ。」


 「アルバードが紹介してくれた、イライザさん・・・あの人のことでモヤモヤしちゃうの。」


 「そうなんですね。具体的にはどういったところが?」


 「そうね・・・イライザさんは人柄はとても良い方だと思うの。さっきもお話ししてたけど、楽しかったし。ただ・・・」


 「ただ?」


 「ただ、アルバードと一緒に何かをしてたことがあるとか、愛称で呼び合ってるとか、実際アルバードと仲良さそうなのも気になっちゃって・・・」


 そういうと、何故かユーナの顏は嬉しそうな表情になっていた。


 「まぁ、まぁ!やはりそうなんですね。」


 「え?やはりって?」


 「姫様は恐らくご自覚はないでしょうけど、それは恋の症状ですわ!」


 「恋?!」


 「そうです。アルバード様に恋をなさったことで、姫様は焼もちを焼いていらっしゃるのですよ!」


 「恋?私が?」


 「そうです。初恋なんじゃありませんか?姫様。」


 「恋・・・私が・・・アルバードに」


 ・・・そっか、私こんな短期間の間なのに、



 「好きになっちゃったんだ。アルバードに」


  私がソレを自覚したとたん、いきなり身体が熱くなったかと思うと光りだした。


 「姫様ー!!」


 「ああ!!」


 この感じは・・・まさか・・・・今度は前の時とは違って意識は保てていた。

 ・・・・それに自分になにが起きているのかも、はっきりとわかっていた。




 「姫様、お姿が!!」


 「うそ・・・元に戻れた?」

 

 そう、私は元の姿に戻れていた。

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