第6話 翡翠色の疾風


「………紫、外れか」


「クフフフフ。随分なセリフだな、外れとは。コレでも定評はあるのだぞ?『揉み心地』などには♪」

「ハ、ハワワワワ!」

「なっ!!!!! す、少しは恥じらったらどうだ破廉恥な!!!」


「フ♪ 手ずから剥いておきながら、また随分とウブいじゃないか、え?お前様。呼ばれているのだろう?変態辻揉みと。私は構わんぞ、本能のままに揉みしだかれても♪」

「そ、其方が構わずとも俺が構う! 魔女とて女子おなご女子おなごであろう、か、貞操からだはもっと大切にしろ!」



 ユサユサと、露わとなった乳をもたぎ、魔女は嗤う。

 口元は常に微笑えみを浮かべながらも、何処か冷めて見ゆるその瞳。魔女の妖しき薄ら笑いは、どこまでが本気でどこからが戯れなのやも計れない………。

 と、とにかく谷間に埋もれた輝石ちくびは暴いた。故に、この魔女にこれ以上の用は無い!



「クフフフフ♪ 顔を背けつつもチラチラと視線を送っていては、説得力に掛けるぞ? なぁお前様、フフフフフ♪」

「う、うるさい! 俺はもはや其方に用は無い。これ以上続けると言うのであれば、この先は刃を返す。

 我が黒き一灯にその命焼べたくば、かかって来るが良い」


「ク、ハハハハハハ。この紫電のが、怖気付くとでも? 杖を折り、衣服うすかわを剥いた程度で。

 ハハハハハハ、興が乗った。

 是非とも炙って貰おうじゃないか、その黒き一刀ほむらとやらに」

「………そうか、ならば死ね!!!」


『浦島一灯流』

『疾風結界!!!(ウインドベール)』


「二人ともそこまでです!」



 戦さ場を吹き抜ける、一陣の疾風かぜ

 翡翠の色を纏うその疾風は、俺を囲いし檻と化す………。



「動かないでください。貴方は今、風の刃に囲まれています。その壁に触れれば、タダでは………」

「止めろミーヤ! ソイツに手を出すな!!!」

「ヘッ!?」


『刀術壱ノ型』


 一歩、また一歩と踏み出す度、ザクザクと頬が、頸が、腕が、脚が、刻まれる。

 距離せいかに比べ、余りある程に増えていく斬傷………。

 痛くないワケでは無い。


 されど、身のおもての痛みなど………。耐えてなんぼの高楊枝!!!!!



『黒椿!!!』

「ミーヤ!!!」



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