第4話 紫髪の魔女



「さて二人とも。承知の通り過ぎている、門限が。先ずは聞こうか、申し開きを」

「フフン♪ 仕方ないわね、先生がどうしてもって言うなら特別に教えてあげても」

「ハワワワワ! フ、フレアリスさん」

「いや♪ やはり良い」


「フミャ〜〜〜〜〜!!! 痛タタタタタタタタタ、せ、先生!

 どうしていきなり頭グリグリするの!!!? まだお話」

「あぁ? 決まっているだろうそんなこと。もちろん私が、イラッ!としたからだ!」

「ピニャ〜〜〜〜〜! ま、待って先生、私達は別に遊んでたワケじゃ無くてね」

「問答無用!!!!!!」

「ピギャ〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



 魔女の仕置グリグリは容赦無く、断末魔とも聞ゆる懺悔ごめんなさいを連呼した赤髪の微少女は、半ベソながらに青髪の眼鏡少女の胸の中へと逃げ込んだ………。やれやれ、俺は一体何をこれほどに警戒していたのだか。竿折り損の亀起こし、とは正にコレだな。



「ほぉ〜、では巷の治安維持の為に遅れた。と?」

「(グスッ)そうよ、すっごいお手柄なんだからね………」

「手柄、か。………おいリリア、そのまま連れて来い。フレアリスを私の所まで」

「ハワ?」

「ま、まさか未だ幼気な少女の頭をグリグリし足りないって言うの!? 鬼!悪魔!デカπ! リリア、リリアはπはデカくても私の味方よね?」

「アワワワワワワ、わ、私は………」

「誰がデカπだ! あぁほら、もう仕置はせん。良いから早よ来い、二人とも」

「は、はい!」

「リリア〜………」



 なるほど、抜かったな………。

 この一連の馬鹿騒ぎは程よく二人を払う為の演技であった、と言ったところか。



「………さて、通称で合っていたか? いや、それともこう呼んだ方が良いのかな、暗殺者。と」

「プ、何言ってるの先生♪ ソイツはただのよ。それにちょっと強めにブッ飛ばしたから、きっと三日位は起きないわ♪」

「お前様は性懲りも無く、また往来でポンポンと力を使ったのか? え? 使ったんだな!!!」

「フビャ〜〜〜〜! 先生もうお仕置きしないって言ったのにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」


「コレはグリグリ仕置では無い、アイアンクローしつけだ!!!だ。

 まぁ今は良い、こんなこと。ところで、いつ迄続けるつもりだ? その狸寝入りをな!!!」



 背中越しに感ずる殺気しせんはハッタリなどで無く、この魔女は俺の目醒めを最初から見抜いていた。



「腐っても魔女、と言うべきか。流石だな」

「………嘘、本気でブッ飛ばしたのに何でもう動けるのよ!?」

「フ、さぁな。当たり所が良かったんじゃ無いか?」

「アワワワワワワ………」



 後ろ手に縛られつつも荷台に立ち上がり、漸く真面に相対したその魔女は紫の髪色をした、いとく妖美な爆乳教師モノクル女であった。



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