第3話 月下の邂逅
(………様、姉…様。起、てください
私は別段、朝に弱かったわけでは無い。
ただ私は、あの小さな手に起こされるが好きだった。
ただ私は、あの小鳥のごとく愛らしい囀りに目を覚ますのが好きだった。
私は、
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「よぉしリリア、静かかつ最速ダッシュで見つかる前に一気に突破するわよ♪」
「ハワワワワ、フレアリスさん静かにダッシュだなんてそんなの、む、無理です〜」
「諦めちゃダメよリリア! 良い?門限にはちょ〜っと間に合わなかったけど、アレを見なさい!」
「………門、ですか?」
「もっとよく見なさい。門限は過ぎたのに、今日は未だ門が閉まって無いでしょ? て事はねリリア、今駆け込めばセーフ♪ってことでしょ?」
「フ、フレアリスさん? それはちょっと違うんじゃ………」
「リリア。私はね、この国には3秒ルールと言う偉大な法則があると知っているわ………。私、この法則の存在を知った時すぐに理解したの。
この素晴らしい法則を発見した先人達は、きっとこう言いたかったのだって。
『え、何? 一瞬、ちょこっとだけならそんなの落ちて無いのと
って。つまりね、ちょっと位は大体大丈夫ってことなのよ♪(なのよ、なのよ……のよ)」
意識を取り戻して凡そ四半刻、ガラガラと続いていた揺れが漸く停まった。
後ろ手に縄を打たれた俺を乗せる荷車の周囲に気配は三つ。一つは荷車を引き、都合の良い迷言を得意気に吐き散らしている赤髪の微少女。もう一つは後方であたふたと荷車を押す、あの青髪の眼鏡少女のもの。そして最後の一つは………。
「さぁリリア、最短最速で最寂に駆け抜けるわよ♪」
「ハワワワワ、フレアリスさん待ってください〜」
ガラガラと再び勢いよく走り出す荷車。されど勢いに乗った荷車は、門前にてあわやと急停止する。
「ちょっとアンタ!急に飛び出したら危ないで………」
「よぉフレアリス、良い月夜だな?」
「ゲッ!!! せ、先生!?」
「おいおい、人の顔を観るなりその反応は無いだろう? なぁ、リリア」
「ハワワ、こ、こんばんは………」
赤髪微少女の前方、城門の陰より現しその
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