蒼井霧雨 ~私が子供達に伝えたいこと~ <親>なるもの
自分が子供達をこの世界に送り出したんだから、この世界にいることで生じる不平不満は、元々、私とダンナが子供を作る選択をしてなければ絶対になかったことなんだし
自分が子供達をこの世界に送り出したんだから、この世界にいることで生じる不平不満は、元々、私とダンナが子供を作る選択をしてなければ絶対になかったことなんだし
私はさ、本当に自分の勝手で子供達を生んだんだ。だから不平不満があるなら私が受け止めるようにしてる。
だってそうでしょ? 自分が子供達をこの世界に送り出したんだから、この世界にいることで生じる不平不満は、元々、私とダンナが子供を作る選択をしてなければ絶対になかったことなんだし。
他人には、私の子供達がこの世界に対して抱く不平不満を受け止めなきゃいけない義理も義務もないじゃん。
ただ、ごくたまに、それを受け止めてくれる人もいたりするけどさ。そういう人が結婚相手だったりしたらすごく助かるけどさ。だけどやっぱり、普通はそんな人とは簡単には巡り会えないんだよ。
<お客>という立場なのをいいことに、店側や売り手側や著名人を、自分の鬱憤をぶつけるサンドバッグにするのとか、ただの<卑劣な行為>でしかない。
だから私の子供達には、どこかの誰かをサンドバッグにして憂さ晴らしするような人になって欲しくないんだ。他人に当たるくらいなら、私に当ってほしい。
そこで、
『お母さんを困らせたくないし』
とかいうことでどこかの誰かに矛先を向けるのも違うよ。矛先を向けられる相手も、私と同じく人間なんだ。私が困るなら、矛先を向けられた人だって困るんだよ。しかも自分が生んだわけでもない相手からそんなの向けられるとか、マジで大迷惑だよ。
自分が生んだ子供に、子供の不平不満すら受け止められないようなヤワい親だと思われるってのがもう情けない。
自分が生んだ子供の不平不満くらい受け止められなくて、何が<親>だよ。<大人>だよ。
でもね、それって、裏を返せば自分が生んだわけでもない赤の他人の不平不満を受け止めなきゃいけない理由もないってことでもあるけどさ。
だけど誰だって、<親>はいるでしょ? 親もなしでこの世に生まれてきた人間はいないよね? ホムンクルスじゃあるまいし。ああでも、ホムンクルスだってそれを作ってこの世に送り出したのはいるわけで、不平不満があるならまずはそいつにぶつけるべきだよね。
そうすればまったく無関係な赤の他人が被害を受けることはなくなるでしょ?
もちろん、中には『もう親はいない』って人もいるとは思うけど、でも、子供のうちは保護責任者はいるよね。大人の。まずはその人にぶつけるべきなんじゃないの? 大人として保護責任者になることを選択したのなら、そういうのも込みで受け止めなきゃ駄目でしょ。その覚悟もないならそもそも保護責任者になるのが間違ってる。
私は、私が生んだ子供達と、ある意味では夫以外の<もう一人の人生のパートナー>とも言える彼女の子供達なら、私の子供達と同じように受け止められるよ。
それと、もう親がいなくても大人になってるなら、自分が大人だと思うなら、無関係な赤の他人に八つ当たりするのが情けないことだって分かると思うんだけどね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます