聖女は婚約破棄され追放される~この国はどうなるでしょうかね~

紅 蓮也

第1話 魔王を討伐した勇者凱旋と婚約破棄

 世界十二大国会議の取り決めにより、ミレーネ王国から勇者の称号を与えられたヘラクは剣聖、魔法帝、武神、盗賊王の称号を持つ者たちとオマケの私からしたら多少の治癒魔法や脆いが結界が張れる程度の力しかない勇者と本人と近しい者だけがそう思っている自称聖女で勇者の浮気相手の第一王女の五人で魔王討伐の為に旅立ち、魔王討伐を成し遂げ凱旋帰国し、一週間たった今も王都を中心に王国中で魔王討伐による英雄誕生でお祝いムードである。


 そして今は、ミレーネ王国中の貴族が集まって、魔王討伐による勇者凱旋パーティーの最中である。

 パーティー参加者は、ミレーネ王国の王族、宰相や各大臣など国の首脳陣、各貴族家の当主やそれらの配偶者だけだが辺境伯令嬢で私は勇者ヘラクの婚約者という事でお父様、お母様、お兄様、妹と一緒にパーティーに参加している。

 お父様とお母様と離れ、婚約者という事でヘラクのところに向かったのだが……


「イレーネ、貴様との婚約を破棄する。」


 国王陛下、王妃殿下、ガラ王女殿下と一緒にいたヘラクから婚約破棄を宣言された。


 まあ、私は構いませんけどね。勇者は好みではないですし、婚約者がいながら他の女と浮気する男ですからね。

 婚約だって、平民でありながら勇者の称号を与えられたヘラクにと王命により私が婚約者にされたので王命には逆らえませんから仕方なくなっただけですから婚約破棄おおに結構。


「婚約破棄ですか。王命による婚約でしたが大丈夫なのですか。

 一応、婚約破棄の理由を聞いてもいいですか。」


「貴様は私たちが魔王討伐に出発するというのに婚約者でありながら見送りにも来ず、激励の言葉も祈っているなどという軽い言葉しかなかった。

 それから貴様のような辺境の田舎者の令嬢など勇者であり魔王を討伐した英雄である私に相応しくないからだ。」


 婚約者として魔王討伐に向かう婚約者を見送くるべきだろうけど、私には大事な役目がありましたし、一緒には行けないのだから無事に帰ってくることを祈るとしか言えないでしょうが

 田舎者の令嬢は相応しくないって、辺境伯は貴族ですよ。あなたは勇者の称号を与えられているとはいえ身分は平民ですのになっといういいぐさ。

 などと考えながら私は周りを見回した。


 国王をはじめ、国の多くの首脳陣などヘラクの近くにいる者たちヘラクと同じ思いのようですね。

 ニヤニヤ笑っていますわ。


 それに比べ少し離れたところにいる貴族家当主や一部の大臣はお顔を青くされたり、赤くされたりしていますね。

 あら、お父様とお母様は表情は変わらないようですが、私や辺境伯家をバカにされて内心怒り爆発しているでしょうね。


「そうですか。今も密着して仲良さそうですし、あ新しい婚約者はガラ王女殿下になるのですかね。」


「そうだ。美しく聖女であり、旅をして更にお互いの愛を確かめあえたので、魔王討伐の褒美にガラ王女との結婚を国王陛下に認めてもらったからな。」


「国王陛下がお認めになったのであれば、王命の婚約ではありましたが、破棄となっても大丈夫ですわね。」


 王家には王子がいませんから平民ではありますが勇者なので英雄になるかもしれないヘラクに爵位を与え近しい家臣にとのお考えの上、国王陛下は我が一族の重要性を重視して王命で勇者との婚約をさせたのだと思ったのですが違うのですかね。

 平行してお兄様をガラ王女殿下の王配にして王家に我が一族の血を取り込みたいという考えもあり動かれていたみたいなのですが……

 無理だと思いますが……

 だって、ヘラクたちの近くにいたお兄様と妹と他数名ほど怒りや何か企んでいそうな悪い表情をされてますわよ。

 ヘラクの後ろにいるのでヘラクや国王陛下たちから見えないでしょうけどね。

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