1 幼児期から二次性徴、タナー段階のⅡ未満。

 ……まず「タナー段階って何?」という話から。

 タナー段階とはTanner法などとも記されるもので、体の外見的変化からの二次性徴を5段階に分けた指標です。

 具体的には男性器や女性であれば乳房、そして陰毛の生え具合などを基準に判断します。

 (※詳しい話はウィキペディアの『タナー段階』を参照していただいた方が早いと思いますが、保健体育の教科書の性教育のイラストくらいの性徴に関するイラストがあるのでその点だけ注意です)


 さてこの幼齢・児童期段階での直接的に受けられる薬剤やホルモン療法等のケアは現在ありません。


 心療内科などで性別違和の苦痛を軽減するためのカウンセリングを受けたり、性自認と外部からのストレスなどで睡眠障害や不安障害など他の症状が出た場合には、精神科などでそれに適した処方を受けることもあるかもしれません。


(※2024年8月29日加筆。

 日本GI学会より『性別不合に関する診断と治療のガイドライン 第5版』にて

「小児期における割り当てられた性への違和感に対する評価と対応について」という項目が追加されました。この追加部分にてある程度の記載がされているので、詳しく知りたい方はそちらを参照してください。)


 どちらかというと、この年頃の場合は当事者本人と同じくらい保護者への理解増進や「戸惑い」へのケアが必要かと思います。 


 もしかしたら未成年のトランスジェンダー当事者を支援する団体などが児童期のトランスジェンダーやその保護者向けのグループケアや相談窓口のようなサービスなどを行っているかもしれません。

 ※筆者はこのあたりに直接取材などはしていないのでその実態は把握していない。

 

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