チャリ部!!

@juntubakurou

第1話

柊馬は海辺から夜明けを迎えた。 体は冷えきったままだったが、どこか太陽の温かさを感じていた。彼はその日の出に見入っているとアスファルトとに寝転んだ自転車も気にしないぐらいただ鮮明にその風景を彼の記憶の中にしまいこんだ。




ここ、私立天神橋高校は都心にある私立のくせに校舎は創立80周年に相応しいほど古かった。しかも校庭はテニスコート二つ入るぐらいの狭さだった。


昼休みの最中、教室の窓側で退屈そうに外を眺めている奴がいた。そこにひっそり1人の男子が迫ってきて、

「わっ!!」

と小学生がやるような手法で寛太が脅かす。

普通に考えればこれで驚くバカはなかなかいないが柊馬だけは違った。

「わぁ〜あ、え、何だ、、地震?!(;゚Д゚)!」

完全にバカである。

「おいおい驚きすぎだろ(≧∇≦)、ビビりか」

「ちげぇーし、今俺に衝撃的な何かが起こっただけだし(ꐦ°᷄д°᷅)」

プライドが傷ついたことにより柊馬は激怒し痛々しい言い訳を並べてる中いきなり寛太が話をズラす。

「そういえば柊馬部活どうすんの?」

「あっ、、、忘れてたぁ〜〜」

ギャグ漫画に相応しいほどのリアクションをみせながらその勢いで宙を飛び跳ねていた。

彼らはこの学校の1年で入部届けの締め切りはすぐそこまで差し迫っていた。




2人は放課後に自転車を引きながらコンビニで買ったあんぱんを食べていた。

「俺は旅人になる!!」

柊馬がいきなりそう告げると寛太は驚きのあまりあんぱんを食べる口が開きあんぱんのカスが落ちた。

「え、どういう事?(・o・)」

疑いの目が柊馬に向くがなぜか柊馬の目は本気だった。

「まだ、分からないけどそういう部活に入りたい」

期待はずれだったというような感じに寛太は声の冷静さが戻ってきた。

「そんな部活ないだろ、やっぱり俺と一緒にテニス部に入ろうぜ」

「それはない」

「返事がはえーよ、俺もまだ入部届け出してねえのに、、やっぱ友達がいねえと」

柊馬は「珍しい、寛太も寂しがりなんだ」とでも言いたげな顔を見せたので寛太からの激しいキックをくらった。




柊馬は寛太と別れてから大通りの車道を自転車で走って帰っていると後ろから自転車近づいているのが分かったが、俺の方が速いと言わんばかりにスピードを上げた。

しかし、また後ろの自転車もスピードを上げどんどんと近づき遂には追い越されてしまった。

本日2度目、プライドが再び傷つき、するとやけになり思い切りペダルを漕ぎ追いつこうしたその瞬間自転車の動きが止まった。

止まったというより前のめりになっている感じ、なんと入学したてに相応しいほどのダボダボな制服が自転車の車輪に引っかかったのです。

柊馬はその勢いのままアスファルトへ突っ込んだ。

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