第4話不倫の定義

何したら不倫になって、どこまでがセーフなのか。その範囲は個人の道徳的感覚から判断されることが多い。二人だけで会えば不倫とか、肉体的接触があればだめでしょとかいろいろだ。ただ、そうやって個人の判断に任せるからトラブルになることがある。そこで、そのトラブルを解決するために存在しているのが法律なのだと私は思う。だから私は法律に触れない範囲は不倫にあたらないという自己判断をしている。

民法上不倫の行為にあたる不貞行為は違法にあたる。ただ、そのペナルティーは概ね慰謝料の支払いで、刑法にはあたらないので犯罪にはならないらしい。犯罪にならないということが軽く捉えられているのか、バレなければいいでしょ、という考えでいる人が多いように思う。公にならなければ、その事実は存在していないものと同じだからだ。公になった瞬間、それは周りの人間をも巻き込み、あたかも犯罪者であるようなバッシングを受けることさえある。もちろん、その事実で当人の子どもなど傷つく人も出てくる。バレるか、バレないかの違いだけで状況は大きく変わってくるのはいなめない。ただ、この基準は判明するかしないかの運にもよるところが大きいため、ほぼ不確定要素だ。なので、私みたいな保守的な人間にはどこか腑に落ちない基準となる。

一方で、不貞行為が不倫の基準だとすれば、二人で出掛けたり、手をつないだり、ハグしたりする程度のことではそれに当たらないと判断ができるため、私はこの法律的基準を採用したい。

バレなければ大丈夫→「赤信号皆で渡れば怖くない」というような感覚と同じなのだと思う。でも、そこで一度道徳的基準を持ち出してはみないのだろうか。忠誠を誓った配偶者に対して、何の疑いももっていない子供に対して

…。配偶者とは大人目線で、経験値を基準に言えば対等かもしれない。自分が不貞行為をすれば、相手も意図的にすることができるからだ。でも、子どもは違う。世の中の不倫に対するネガティブな要素しか知らなかったとしたら、親に対する裏切られたときの怒りやショックは計り知れないはず。そんな子どもの気持ちをくみとることはしないのだろうか。私はずっとここがネックで、どうして民法違反までいかずに留まれないのが疑問だった。その疑問はもはや、経験者にぶつけてみるしかないと思った。どんな理由で彼らは一線を越えた付き合いにまで至ったのだろうか。

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