第2話 現実 【REAL】
それはボクが1番最初にノートに書いた文章と同じ状況だった。
“ある日突然緊急速報が流れた。主人公はそれを見て絶句していた。主人公は部屋に入ってきた魔物に腕を引きちぎられたが、キッチンにあった包丁で倒した。”
そうだっ!病院!!
病院には大事な妹がいる。
意識不明だが、生きている本当の家族だ。
そう思うと、ボクは義理の父のバイクの鍵を小棚から持ち、家をでてバイクに乗った。
※
外は無惨な光景だった。
家によっては煙が出て火事になっていたところもあったし、交通事故で歪んだ車が多かった。
ボクは義理の父のバイクの乗り方を思い出しそのまま病院まで走っていった。
※
「うそ…だろ…レイ……」
病室は血で染まり、妹の遺体は破片残らず消え去っていた。
「スズキレイは死んだぞ。」
「お前は誰だ!?……ってお前…まさか…」
「俺か?俺は…」
はっきり覚えている。主人公のライバルで、神に復讐するために最終的に主人公と協力したが、一緒に神に殺されてしまった。
「フェニックスだ。」
「やっぱり…お前…悪魔の…」
「あぁそうだ。今はお前と話すために一時的に人の姿になっている。」
やはり、今この世界はボクの夢と同じ状況ということがわかった。
「それでお前に提案がある。」
「もしかして…ボクの体に入らせてくれ…とか?」
「よくわかったな。お前はやっぱり不思議なやつだな。」
「たまたまそういう物語を知っているからね。」
「ふーん?そうか…では話が早いな。で、お前はどうなんだ?」
フェニックスは主人公に提案をしたが、その時は主人公は「俺はお前が大嫌いだ。」と言って断っていた。
「いいよ。ボクも目的はこれをお遊び感覚でやっている神とかいうゴミクズ達を殺したい。」
「これは了承しているということでいいんだな?」
「うん…フェニックスもボクの記憶を見ればなぜボクがフェニックスのことを知っているのかわかるはず。」
フェニックスの体が黒い煙となってボクの体に吸い込まれていく。
『お前…これ…どういうことだ?』
『その記憶の通りだよ。ボクは10年間ずっとお前を夢の中で見てきた。』
『そうなのか…?』
『でもお前の記憶にはない大事なことを一つ教えてやろう。』
『なんだ?』
『お前、ウィンドウと言ってみろ。』
「ウィンドウ…」
その言葉を喋った瞬間、目の前に本当にウィンドウのようなものが出てきた。
そこにはステータスが書かれていた。
『これはステータス?』
『あぁ、よくわかったな。あと、ウィンドウの1番上のところをスライドしてみろ。』
『購入画面か?』
100コイン、10000コインなど値段はバラバラだが、いろいろなものが売っている画面が出てきた。
『それには俺も笑わせられたよ。だって、神がそれを作ったんだぞ?』
『もしかして、これって主人公が空中で何か操作をしていた時のあれか?』
『お前の記憶を見る限りそのはずだ。ウィンドウはその人以外見えないからな。夢でもお前には見えなかったんだろう。』
なら、話が早いようだな。
『コインはどう稼ぐ?』
『神がお遊び感覚で作った魔物を倒せばそれ相応のコインが得られるはずだ。』
『それだけか?』
『後、お前の記憶から見れば多分クエストなるものがあるらしい。クリアすれば達成報酬が貰えるんじゃないか?』
『わかった、じゃあ始めよう。』
ここから始めよう。
〝神の目の前で悪魔と舞い踊ってやる!!〟
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