第30話

 

「……これは、どうなのかしら」

「んんきゅいーいぃ……」


 ぎらぎらとした太陽を見上げ、レイシーは唸るように呻いた。足元ではティーも相槌を打つように、ゆっくりと羽を動かしている。

 レイシーの元に落ちてくる日差しはいつもよりも控えめだ。原因はわかっている。頭の上ではわさわさと葉っぱが揺れていて、太い幹の頂きには、茶色く硬い大きな果実がいくつも。ごろごろと。


「……絶対最初はなかったわよね、ティー?」

「キュイキュイ」


 ティーは肯定とばかりに頷いている。そうよね、とレイシーは首を傾げた。


 ――レイシーが見上げていたのは、ココナッツの木だ。


 たしかに、屋敷の裏手にある畑の周囲にはいくつかの樹木はあったが、さすがにココナッツまではなかったと断言できる。レイシーから言わせてもらうと、ある日突然生えてきたとしか言いようがない。

 そもそも、不可思議なものはココナッツだけではない。見まわしてみると覚えのない植物がいたるところに育っていた。さすがにこれはおかしい、と思ったものの、理由はなんとなくわかっている。レイシーの魔力である。


 レイシーはウェインからもらった上級の薬草を、畑に魔力を込めることでさらに特級へと変化させた。その際、周囲の土まで変異させてしまったのかもしれない。


「うーん……」


 まさか何もないところから生えてくるわけもないから、地中で眠っていた種達がレイシーの魔力にすくすくと反応してしまったのだろう。村にはある魔物避けだが、外れにあるレイシーの屋敷は対象外だ。長い年月をかけて魔物達が食べかすとして様々な種をほっぽり出してきたのかもしれない。


 考えてみた。


「まあ、この付近だけならいいかな……」


 一応、屋敷の周囲の土地はレイシーの所有ということになっている。明らかに時期がそぐわないようなものも混じっていたが、誰か来ることもないわけだし、と目を瞑ることにした。頭の上で鈴なりになって、わさわさと風に揺れるココナッツや謎の生態系が生まれてしまっている周囲のことは、また後で考えよう。


 とりあえずそういうことにしよう、と大きめに独り言のふりをするかのようにレイシーは呟いた。ココナッツに背を向けるレイシーの後ろを、ティーがきゅいきゅい言いながらついてくる。日課である畑の水やりや土の具合を確認して額の汗をぬぐおうとしたとき、レイシーの腰のバッグから、ちりりん、とベルが鳴った。


 小指ほどのサイズのベルには、クラッパーと呼ばれる鐘を叩く部位がない。屋敷の玄関ドアと連動して音を鳴らすように調節したのだ。広い屋敷の中だし、レイシーは畑に出ていることも多いから、急な来客にも対応できるようにと作ってみた。何でも屋を始める手前、たくさんお客さんが来てしまったらどうしよう、と不安と期待を半分にして、せこせこと魔道具を作ってみたのだ。思い出すと悲しくなる。


「……アレンかな?」


 便利なはずの魔道具も、実際使われる人間はいつも同じと決まっている。いやでも、作って損はなかったわけはず。……なかったよね? とどんどん自信がなくなってくるのはいつものことだ。落ち込みそうになって、丸くなった背中と一緒に地面を見つめた。けれども、今度は反対にしゃんとして前を見る。


(保冷温バッグは、すごく……よかったと思う)


 レイシー一人では、絶対に出来上がらなかったものだ。こんなものを作ってほしい、と言われればなんとか形を作ることができても、最初のとっかかりが思いつかない。レイシー自身が不便だと思えば手が届くものの、それでは視野が狭すぎる。来客者を教えてくれるベルのことは、野菜を抱えてやって来たアレンが困っていたから、なんとか考えついただけだ。


 つまり自分は頭が固いのだろう、と溜め息が出そうになる。匂い袋もそうだ。ブルックスがいなければ考えすらもしなかった。


 魔物ならいくらでも倒すことができて傷つけることには長けていても、反対をすることは難しい。そのことがとにかく悔しかった。けれども、レイシーだけではなく別の誰かがいれば、とっぷりと夜中のように暗い道でも、ちいさな明かりが見えるような気がした。それは砂粒をこすり合わせたような、本当にわずかなものだったけれど、真っ暗で恐ろしい道も、どこか柔らかく感じた。

 ゆっくりと瞳を閉じて、そっと胸元をなでた。


 アレン達一家の、ありがとう、という礼の言葉と笑顔を思い出すと、胸の底が温かくて、強く何かに掴まれてしまったみたいだった。思い出す度に、耳の裏が熱くなって、ぎゅうっと胸が苦しくなる。多分、これは。――嬉しい。


「キューイィ!」

「あ、あうっ!」


 うりゃっとティーがレイシーの頭の上に飛び乗った。羽を広げて、百点満点のポーズである。思わずその重たさに悲鳴を上げてしまったが、同時にレイシーの鞄につけたベルが、またちりちりと鳴っていた。お客様が来ているのだ。


「いけない! ありがとう、ティー。すごく重い、けど……」


 訪問者はアレンに違いないだろうけれど、この暑さだ。あまり待たせるのも申し訳ない。頭の上に乗っているティーに手を伸ばして確保して、レイシーは慌てて緑の畑を駆け抜けた。

 ――それにしても、道具とは便利なものなのだと改めて感じた。なければ気にならないものなのに、あるとなるとその存在に感謝する。レイシーは、今までずっと道具のように生きてきた。それは少し、思い出すと悲しいものであったように思う。心を殺すように生きてきたのだから。


 一人で、生きたい。

 空っぽな自分が嫌で、自分の内側に、何かの意味をたっぷりと込めたかった。ただ、それだけだったはずなのに、レイシー・アステールとなった今、レイシーの中には、はっきりと一つの願いが生まれた。


(道具を、作りたい)


 心を殺すのではなく、誰かを笑顔にするような。誰かの幸せになるような。もっともっと、たくさんの幸せを渡せるような。



「……おまたせして、ごめんなさい!」


 ティーを抱きしめつつ息を切らしながら飛び込むと、ノッカーを叩いている人間はアレンではないと気づいて、驚いた。大きな麦わら帽子をかぶっていて顔は隠れているが、女性なのだろう。レイシーよりも背が高いが、綺麗な水色のワンピースを着ている。見覚えはないはずなのだが、妙にひっかかって、レイシーは眉をひそめた。けれどもすぐに別のことに困惑した。


 屋敷の扉を叩くのは、アレンか、ウェイン、あとはまあ、ブルックスくらいだろうと思ったのに。


(ま、まさかお客様……?)


 腕の中でバタバタしているティーを力いっぱい抱きしめた。「赤いコカトリス……? そんなわけ、ないわよね。もしかして、フェニックスなのかしら?」 ころろん、と鈴を鳴らすような声が聞こえた。瞬間、レイシーは瞬いた。


「……ダナ!?」

「ひさしぶりね、レイシー。可愛らしいお手紙をありがとう」


 麦わら帽子を脱ぐと豊かな金髪がダナの肩を流れた。ゆるくほんのりとした笑みは旅をしている最中と変わらない。

 レイシーは、ただ呆然としてダナを見上げた。何度見たってダナだ。見間違いでもないし、変化の魔術を使っているわけでもない。瞳をあらん限りにさらに大きくさせて、あんぐり口を開けるレイシーを見て、ダナは困ったように口元に手を当て、くすりと微笑んだ。


「レイシー。あなた、もともと大きな目をしているのに、そんなに見開いたら、ころんとこぼれちゃうんじゃないかしら?」



 ***



 目の前には真っ白で、ぴかぴかなテーブルクロスが敷かれている。その上には受け皿に載ったティーカップが二つ。掃除をしたばかりでよかった、とレイシーは椅子に座ったまま静かに胸をなでおろした。それから今度は体を硬くして、眼前のダナを窺うようにそろりと見上げる。テーブルの下ではそろそろご飯の時間とばかりに、ティーがもそもそと薬草をつついていた。


「ンキュッ、ンキュ、ンンキュ!!」


 ベリーデリシャス、とご満悦の様子だった。ティーはなんでも食べることができるが、なぜか好物は薬草である。その声が、うっかり意識が遠くなりそうなレイシーをなんとか引き戻してくれた。

 ダナの細い指先が持ち手をつまんで、つい、とカップを持ち上げる。唇を湿らせ、こくり、と喉を通る音がする。レイシーはももの上に置いた拳をぎゅっと握った。


「……すごくおいしいわ」


 にっこりとダナが微笑むまで、レイシーは生きた心地がしなかった。なんでこんなに緊張しているんだろう、と自分にだってわからない。嘘だ。ダナとレイシーが、二人きり――正確には、二人と一匹だけど――なんて、初めてのことだ。旅をしている間は、必ず誰かがそばにいた。


 ダナがレイシーの手紙を見てわざわざ村までやってきてくれたということは、ダナの言葉でわかった。さすがにダナが住む街から歩いてプリューム村までやってきたということはないだろうが、転移の祠を使ったのだとしても長旅だったはずだ。初めはダナを見て驚いて、呆然としていたレイシーだったが、すぐにそんな場合ではないと気づき、慌てて屋敷の中に案内した。そして緊張しつつも紅茶を淹れた。


(な、なんで、来てくれたんだろう……)


 来てほしいと手紙を書いておいてと自分自身呆れてしまいながらも、考えてしまう。


 どきどきしながら手紙を送って、そこから先の未来はレイシーの中で真っ白だった。こんなふうに、彼女がやってきてくれるとも、そうでないとも思いつかなくて、ただ目の前の事実に混乱している。そんな自分をごまかそうとして、カップの中をティースプーンでかき混ぜる手はかちゃかちゃ音が立つし、だらだら冷や汗が止まらない。


「あなたが引っ越したって聞いてびっくりしたわ。ねぇ、このことをウェインは知っているの?」

「え、うん……。あとはブルックスも。ロージーにも手紙を送ったけど、返事はないかな」

「ロージーは手紙をもらったことすら気づいてないかもね。ポストなんて見そうにないし。それにしても、ウェインはともかく、ブルックスも。へぇ」


 若干、温度がひんやりと下がったような気がした。ブルックスとダナがよく対立していることは、人との関わりが下手くそなレイシーでも気づいていた。正確にいうと、前線で戦うため怪我をしやすいブルックスと、それを毎回治さなければいけない聖女としての役目に、ダナがよくブチギレていたのだ。おっとりしているダナだが、怒ったらとても怖い。


 対立していたというよりは、どこ吹く風に大声で笑っているブルックスにダナの怒りがさらに爆発していただけだし、それを端っこで見ていただけのレイシーなのに、思い出したらガタガタと縦に震え始めた。持っているカップの表面が波打っている。


「それにしても、ごめんなさいね」

「ひゃいっ! ……え、何が?」

「いきなり来てしまったことよ。本当なら手紙を出してあなたの都合を聞いてからの方がいいに決まっているんだけど。いてくれてよかったわ」

「ううん、そんなの全然問題、ないけど」

「それならよかったわ。レイシーからの手紙を見てからすぐにでも行きたかったんだけど、休みの調整が合わなかったの。予定しても、いつもすぐにだめになってしまうから、決まったときに行くことしかできなくて」


 と、首を振りながら、以前にも似たようなことがあった気がする、とレイシーは思い出した。そう、くだんのブルックスである。ダナと事情は違えど、彼は自分が来た方が早いとレイシーの屋敷の扉を力いっぱいに叩いた。


 ダナとブルックスは正反対だが、反対をひっくり返すと同じものになってしまう。相性が悪いように見えて、実は仲がいい二人である。レイシーはちょっとだけ笑いそうになった。そんなところでダナは優しげな顔から、きりっと表情を引き締めた。いきなり変わってしまった雰囲気に、また少し、レイシーは縮こまってしまった。


「ねえ、あなた、何でも屋をしているって手紙に書いてたわよね。それとこれ、さっき村で買ったんだけど、あなたが作ったということで間違いない?」


 と言いながらテーブルに出されたのは、見覚えがあるものだ。保冷温バッグである。

 匂い袋を含めて、レイシーが作ったということは村の人達以外は秘密にするようにしている。王都に売りに行く狐のような目をした行商人もそうすべきだと言っていたし、レイシー自身も積極的に伝えるつもりはなかった。保冷温バッグはまだ流通が整っていないけれど、そろそろ王都に売り出されるはずだ。


 けれどもダナを相手に隠す必要はなかったから、レイシーはすぐに頷いた。


「う、うん。間違いないわ。……もしかして買ってくれたの? それならわざわざ買わなくてもあげたのに」

「それはいいの。私、お金は好きだけど、払うべきお金を払わないことはとっても嫌いなの。だってそういうものはもらうべき報酬をもらえないことにいつかはつながってしまうもの」


 ダナの主義はレイシーにはよくわからないものだが、彼女は彼女なりのルールに従って生きている。そこをわざわざ曲げようとは思わないから、わかったと首を縦に振った。それに彼女がお金を払うべきもの、と認識してくれたということはレイシー一人の力でできたものではないにしろ、素直に嬉しかった。また胸の辺りがほかりと温かくなってくる。


「このバッグはまだ使っていないけど、村でお弁当を買って食べたわ。きんきんに冷えていて、とってもおいしかった。レイシー、あなたが魔法使いとして、優秀……ううん、そんな言葉一つじゃ収まりつかないほどということは知っていたけれど、それ以外にもこんな才能があるだなんて思わなかったわ。すごく驚いた」


 でも、これはちょっと褒め過ぎだ。きちんと事実を訂正せねばならない、とレイシーは困りつつ否定する。


「これは、私だけが作ったものじゃないの。こんなのがあったらいいな、というアレン達、えっと、村の人達の言葉があったからできたもので、私がすごいわけじゃないわ」

「作ったものが一つきりならそうかもね」


 何やら意味ありげな言葉である。

 ダナはさらに荷物から、あるものを取り出した。それこそ保冷温バッグ以上にレイシーにとって見覚えのあるものだった。


「……匂い袋?」

「ええ、匂魔具、というんでしょう。王都では大人気よね。匂いは新たな装いの一つと流行を生み出した、大変な魔道具だわ。私は聖女という役割上、貴族を相手にすることが多いの。貴族は流行、という言葉が大好きよ。だから私も市場を観察して乗り遅れないようにと気をつけているつもりよ」


 さすがはダナだ、とレイシーはぱちぱち、と瞬いた。レイシーにはそんなことはできない。きっと彼女はその類まれなる美貌とトークスキルによって多くの貴族を手のひらの上で転がしているのだろう。


「……本当に、ダナはすごい」

「私はただ聖女という才能があって、こういったものに興味があるだけ。レイシー、理解していないみたいだけど、あなたの方が素晴らしいのよ。この匂魔具も、あなたが作ったものね?」


 袋の底に、ダナはつんと指先を向けた。そこには、アステールの印があった。匂い袋は王都で大流行した。けれどもその分、偽物も多く出回ったのだ。本物である印として、レイシーが手を加えたものには、必ず星<アステール>の刺繍を散りばめるようにした。


 印自体も行商人の手により商業ギルドに登録をされているから、村人達に手伝ってはもらっているが、この印を使えるものはレイシーだけだ。保冷温バッグにも同じ印をつけている。ダナはそのことを言っているのだろう。首を傾げつつ頷くと、ダナは、「やっぱり」と言葉をもらして、額に手のひらを置きながら長い溜め息をついた。「本当に、この子は」と呆れているような声にも聞こえる。


 いや違う、相手の心情を勝手に想像して、悪く捉えてしまうのはレイシーの悪い癖だ。聞かなければ、相手の本意なんてわからない。ぐっと唇を噛んで、自身の胸元を掴むようにしながら前を見る。


「だ、ダナ、その、私」

「本当に――すごいわ」

「…………え?」


 しみじみとした声だった。やって来た言葉は、ぽっかりとどこかに落ちてしまったようで、レイシーの体をすり抜けたはずなのに、時間が経つほどに実感がわいて、重たく、腕の中にいっぱいになったような気持ちだ。実感がなくてすかすかしているのに、褒められたと思うと、耳の後ろが勝手に熱くなってしまう。


「すごいって、その」

「保冷温バッグ、匂い袋。手紙をもらったときは、何でも屋ってどういうものなんかしら、とちょっと不思議に思っていたの。でも実物を知ると、相変わらず、あなたはすごい、と。なんだかそれ以上に言葉が出ないわ」


 しみじみとしたダナの声に、レイシーは思わず口をつぐんだ。きゅっと口元を一文字にして、耳ばかりが赤くなっていた。そんなレイシーを、ダナは愛しげに見つめたが、レイシーは照れるあまりに自分の手元ばかりに視線を落としていて、気づかなかった。それからダナは先程と同じく、すぐに表情を引き締めた。


「レイシー。あなたに、いいえ、何でも屋の『星さがし』さんに依頼したいことがあるの」


 ダナはレイシーが何でも屋を始めたと知ってはいたけれど、何をしているのかは知らなかった。だからこの言葉は、村にやって来てからの願いなのだろう。真剣な声に驚いて、レイシーは顔を上げダナを見つめた。よく見ると、ダナはひどく顔色が悪い。彼女には見合わないような、陰鬱で、重たい空気を吐き出すように苦しげに瞳を細めた。


「……私は聖女だから。誰にも言えない話で、レイシーが『星さがし』でなければ、伝えるつもりもなかったわ」

「ダナ……。あの、ダナの力になれるのでしたら、私、なんでもするから!」

「ありがとう。……とにかく、体が重いの」

「体が、重い……?」


 もしや呪いだろうか、とレイシーは眉間に皺を寄せた。アンデット系の魔物に取り憑かれているのならば、ありえる話だ。ダナはテーブルに覆いかぶさるような勢いでずい、とレイシーに近づいた。彼女の瞳は轟々としていて、思わずのけぞって逃げそうになったが、何でも屋への依頼だ。気合を入れて、レイシーはぐっと拳を握った。


「か、体が重い。それ以外は?」

「頭が痛い。腰が辛い。めまいがする」


(や、やっぱり呪い……!?)


 過去に旅をしている最中に取り憑かれたこともある。たしかに聖女がアンデットに取り憑かれているのに除霊ができないだなんて、大きな声では言えない話だろう。ダナが手こずるとは、よっぽど強力な魔物に違いない。


「日中ふらふらするし、日差しが辛いし、ここまで来るのだって本当は大変で、大変で大変で」

「そ、それって、やっぱり!」

「そうなの!」


 ダアンッ、と勢いよくダナはテーブルをぶっ叩いた。ちょっとだけカップが浮いた。びびってレイシーも一緒に椅子から浮いた。


「貴族のクソ親父どもの対応にドがつくほどのストレスにこっちの体は限界なのよォオオオオ!!!!!」


 吠える金髪の美女の姿に、レイシーは気づけば体育座りになりながら、「おクソ……?」と思わず丁寧に言い直した。足元では、ンキュインキュイ、とデリシャスデリシャスとティーが薬草をもしゃもしゃさせているばかりだった。

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