さいはての約束
T.KANEKO
プロローグ
「またしても、政治とカネの問題です」
眉間に皺を寄せた男性ニュースキャスターが不機嫌さを漂わせてニュースを読み上げる。
「衆議院議員の収賄疑惑の件ですが、先ほど、『第一秘書が独断で行った』、とされる声明が出されました。当事者である第一秘書の所在は、現在特定されておらず、逃亡の恐れがあるとの事です」
寝転がってテレビを観ていた老人はスイッチを切った。
「そんなバカな……」
そう呟くと、小さな窓に掛けられているカーテンに手を伸ばし、隙間から差し込んできた朝日に目を細めた。窓の外には、生き生きとした緑が生い茂る広大な原野が広がり、辺り一帯にけたたましいセミの鳴き声が轟く。
老人はベッドから起き上がり、大きな欠伸をした。
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