第65話 ルイの昏睡3日【2】

 状況推理のみでかなり正確に、サガはルイの現状を言い当てた。

「皆!よく聞け、今ルイは魔神ジンと戦っている、もしルイが魔神に負けると、ルイの身体と精神は魔神に乗っ取られ、お前達仙人は魔神の生け贄となり消滅、力能力を吸収される」


「ルイ兄貴が言ってた、ジンが魔神ならばサガ王の言う通りだろう」

「私達はどうしたら良いの?」


「ルイを見守るしか無いが、甘めの砂糖水又は果汁を、少しずつ与え続ける」

「いつまで昏睡が続くか分からん、交代で24時間着きっきり見守りを続けるぞ!」




 見守って2日目

 今の時間は、リンが見守っている。

 顔色唇の色確認の為、メイクを落とし、ルイは男らしい顔に戻ってる。


(呼吸してるから、生きてるのでしょうが、身動きしないしうめき声、寝息も聞こえない!見守りはルイ兄様に刺激を与えない様、物音を立てない声を掛けないって、サガ王が念押してた……これは眠くなるわ…砂糖水を唇に…ちびっと?)


⦅あれれ?ルイ兄様の顔は変わって無いけど、一回り大きくなってない?身体!!私より小さかったのに、サガ王より大きくなってる!!⦆


(もうすぐ交代の3時間になるわ!早く異変を皆に伝えたい!!砂糖水を唇にちびっと垂らす!あっ!反応!飲んでる!!この時はチョロチョロ注ぐ!飲んでくれるだけ根気よくチョロチョロ注ぐ!)


⦅やっぱ顔デカイ!身体はもっとデカくなってる!⦆

 ルイが自分を男と自覚したから、本来の身体に戻った?

 少しだが聞いた仙人村での行動、私達よりも年上と考えると、今までが異常だったと思うリンだった。



 交替のレムが入って来た。

「あっ!ルイ兄貴が目を覚ましてる!!」

「レム!ルイにユックリ水を飲ませて!私は皆を呼んで来る!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る