第64話 ルイの昏睡3日

「ルイ兄様!!」

「ルイ兄貴!!」

「ルイ兄様!!」

「ルイ仙人王!!」

「「「ルイ様!!」」」


「何を騒いでおる?」

「あっ!兄さんルイ仙人が倒れました!!」

「サラ、その腕輪は?まさか…」

「その、まさかですわ!仙人の腕輪です」

「予想はして居たが、私で無く、妹が仙人に選ばれたか、喜ばしいが少し残念だ!何故私で無い!」


 ルイの状態は、ただ事では無さそうだ。

「リン、レム!グイ将軍からルイに関し何か聞いてないか?」

「何か?とは?」

「ルイだけ、他の仙人の腕輪と違う様に感じる!それについて、グイは何か言って無かったか?」

「別に、仙人を集めて回る、筆頭仙人としか……」

「姉さん!あの事では?」

「ん?何の事?」

「世界の命運!」

「命運?…たしか、ルイは仙人村、仙人仲間だけで無く『世界の命運を背負って居る』って言ってた?あれは偉業をなせる、力が有るって事でしょ」



「世界の命運……仙人村の命運?…仙人仲間の命運?…世界の命運?…全てをルイが背負う?……サラで仙人仲間が全て揃った、ルイの昏睡状態と関係しているのは間違い無い!」


 順序立てて考えてみよう、ルイは男のくせに、いつも「俺は女だ!」と言っていた、本人は自分が女だと思い込んでいた様だ。

 理由は女性でないと、ルイの強力な腕輪は使えない。

 ルイを女と思い込ませたのは、仙人村の仙人達で有ろう。


 仙人村に子供はルイ以外居なかった、本来は女の子に指輪と腕輪を持たせる所、男の子のルイ以外子供が居ない為、女と思い込ませ仙人の腕輪を使える様にした。

「ここまでは間違い無い」


 腕輪の事は、それで良い、問題はジンの指輪、本来は女の子に使用するジンの指輪を男の子が使用した。

 ミジン教の時、ジンは女神だと分かった。

 指輪の持ち主が女だったら、女神ジンとは上手く行くとする、ところがルイは男だ。


 ジンは魔神の配下だったと、ルイが言って居った。

 女神ジンと言うが、本当は邪神ジンもしくは、魔神のジンと仮定する。

 ルイが女だったら、ジンの魔に取り込まれ、身体をジンに乗っ取られる。


 ルイの昏睡状態は、ジンに取り込まれまいと、闘って居るのでは無いか?



「まず、間違い無い!皆!今ルイは精神の狭間でジンと闘って居る!!」


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