第63話 左手薬指の指輪

「あれ?指輪が…」

 ルイは指輪を拾い、無意識に左手薬指に指輪を嵌めた。

「指輪は左手薬指に」何度も村のバアちゃん達が言ってた事、無意識の行動だったが、ルイに願いと希望を掛けた、老婆達の言葉が染み付いた結果ではあった。

『あぁ?そこは!!あ、有り難う御座います!!我が主様!!!』

「ん?ジン、雰囲気が変わったな?」


『私は、消滅させられると思っていました。

 親指に嵌めた場合、再びルイを私の支配下に、薬指以外に嵌めた場合私は、消滅していました。

 我が主の温情に感謝します!!未来永劫私は、主様の物です!!!』


「指輪を?間違うと消滅した?のか」

『はい、使役人達と共に消滅していました』



 ◎◎◎



「おや?呪縛が消えた?」

「これは、もしや?」

「そうじゃな!ルイの奴、やってくれた!!奇跡だ!!!」


「一万年?いやもっと長きに渡る呪縛、魔神が長き眠りに着くと、ルイの様な復活用苗床育成する、それの繰り返しもついに終った!!」


「我らが消滅して居ない、ルイは魔神と同化せず、完全に魔神を支配下に!大逆転の快挙だ!!!」


「喜んでばかりも、居れんぞ!時が止まっていた我らの身体、再び時を刻んでおる、後数年長い者でも10年生きれるか、じゃな…」

「消滅を覚悟していた!後は嬉しいオマケと思えば良い!」




 ◎◎◎



「あっ!ルイ兄貴が目を覚ました!!」

「リン姉さん!皆を読んで来て!」

「レム、水を飲ませて!急に起き上がらせないで!!」

「分かってる」


 走れば良いのに、リンは転移を繰り返し、皆を集めに回った。

 リンが転移を繰り返す度に、メンバーが揃う。


 エミルにリューシャ、パトラ、ペラ、ルーナにサラ。

 皆の顔には、安堵と驚きが見える。

「ん?皆どうかしたか?」

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