第三章 ルイ仙人王国

第60話 ルイのインナーウォー

「ルイ、今頃は魔神と同化しておるだろうか?」

「ジンは長い時を経て、無害化したが、本質は魔神じゃ、ルイを無意識に取り込み、魔神化しようとする」


「ルイが魔神に成れば、我らは又終わりの無い、苦難の暮らしが始まる」

「ルイは、数千年来の逸材!何とか捩じ伏せてくれんかのぅ」

「魔神が……………」



 ◎◎◎



「サラ?なぜ、仙人になれた?」

「私は、サガの妹!サラ姫!資質とすれば、充分でしょ」


「あ、頭が…痛いぃ!!!」

「ルイ兄様!」

「ルイ兄貴!!」

「ルイ兄様!」

「ルイ仙人!!」

「「「ルイ様!!」」」

 皆の声が遠くで聞こえる、美女に成っても男扱いかよ!

 あの、我慢出来ん頭痛は何だった?


『…イ…』『ル……』『ルイ……』

「ん?ジンか?」

『ルイ…が…声が…ん』

「ジン!シャキッとせんか!訳が分からんぞ!!」


 目の前に、気持ち悪い位な美女が、不鮮明にユラユラ揺れておる。

「またその姿か!美女過ぎて気持ち悪いぞジン!!」

『ルイ…男前……女に見…』

「何を言ってるか、さっぱり分からん、俺の言ってる事は分かるのか?」

『…の…分かる…』

「一言で言え!分かるのだな!!」

『是』

「ジンに長文は似合わん、簡潔に話せ!

 俺はどうなった?この状態は何だ?」

『不明』

「仙人の腕輪擬きの性か?」

『是?』

「頼り無い、疑問っぽい肯定、ジンもこの腕輪の事、知らんのだな?」

『是!』

「では改めて聞く!ジン!お前は何者だ!!」

『魔神』

「魔神の配下じゃ無く、お前が魔神か?」

『是!』

「俺は…俺をどうしようと思った?」

『ルイ、好き……一つに…たい』

「ジンは女だったな、女の俺と一つになれな……俺?何で?女と思い込んでたんだろ?俺は男だ!!」

『女で無い……仙人力…使えん』

「女と思い込んでたから、仙人の腕輪が使えた?」

『是!!』


「ジンが魔神と分かり、仙人の腕輪擬きの正体が解った、魔封じの腕輪だ!」

『?』

「今は、魔封じが、ジンの魔の部分を封じておる状態だ!どうすれば良い?」

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