第59話 7人目の仙人

「綺麗になったルイのお披露目!サンガの城下を廻りましょ!!」

「いや、俺歩くの於保おぼつかん、無理!」

「歩け無くなったら、エミルにお任せを!首根っこ掴んででも、お連れします!」

(俺は犬猫か!俺が女装してから、皆の扱い雑に成って無いか?)


 魅了のオーラ出しっぱなしが、鎮静化したからで、本人も周りも全く気付いて無いが、魅了により強引な好意を寄せて来る集団から、自然な仲間意識の集まりに、変わっていた。


「仙人の皆さん、今日はバナナが安いよ!」

「おっ確かザンバ村特産!(ギルで買った3房、収納に入ったままだった)」


「おぅ!綺麗な姉さん!良くご存じで!!よっしゃぁ!バナナに詳しい美人さんに、大負け!1房500Zでどうだ!!」

「滅びる前のギルで、300Zだったぞ?」

「おぅ?そこまで詳しい美人さんに、儲け度外視!250Zだぁ!持ってけドロボウ!!」


「儲け無しで、オジサンが倒産したら、バナナが食えなくなる!300Zで買ってやるよ」


「毎度おおきに美人さん!今後ともご贔屓に!!」


 調子の良い、出身地不明のお兄さんの屋台の正面、ベンチに座りバナナを食べた。

「上手い!バナナはヤッパ旨いな!」

「ルイ兄様と、ギルで食べたバナナより美味しく感じます」

「リン姉さんズルい!!ギルで結構楽しんだんだね!」


「「「美味しい!!バナナって初めて食べたわ!!」」」


 俺達が旨そうに食うバナナを見て、お兄さんの屋台に人が群がってる。

 俺達が良い宣伝になった様だ。


 バナナを食い終わり、俺達が立ち去る時、屋台のお兄さんが大声で言った。

「美人さん達!ありがとうな!!良い宣伝してくれて!!今度は無料ただにしてやるぞ!!」


 俺達は手を振って立ち去った。


 ベンチにゴミ箱の設置も、サガに俺が提案した。

 町が綺麗になり、ゴミ回収焼却要員に、スラム街の不労児の雇用促進になる。


 ブラブラ街を歩き、サガの王宮に到着、結構自由に歩けるようになった。


「あら!見掛けない娘!貴女も仙人の仲間?」

「そっちこそ、初めて見るぞ!俺はルイ仙人!」

「えぇーーっ?ルイ仙人って格好良い男の子でしょ?」


 と言って、俺の胸を触ってる、この女は何者?


 その時、俺の胸が光って、収納してた最後の腕輪が、女の右手首に納まった。


「おい!お前は何者だ!!仙人の腕輪、どうやって取り出した!!」

「えっ?これが、仙人の腕輪?言われると、出来る事が浮かんで来るわ?」


「俺はルイと名乗ったぞ!お前は誰だ!!」

「サラよ」

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