第58話 女装

「ルイ兄様、元気を出して下さい!!」

「今日は、ルイ兄様が着たかった、服を用意しました」

「ルイ仙人様!ペラとルーナが、お召し変えのお手伝い致します」


「おぅ!こう言うの着たかったが、俺に似合うか?」

「プッ…」

「おい!そこで笑ってるレム!乙女の着替えだ!出て行け!!」

「ルイ兄貴を見習って、僕もこれからは、フンドシパンツ履くよ」

「へ?俺のパンツ変か?」

「うん!それは、男の中のおとこが履く物」

「そ?そうか?女性用パンツに変えるか」


 顔を赤らめ、ルーナがチョウチンパンツを持って来た。

「チョッと待たぁ!!」

「リューシャも、じろじろ見てないで、出て行けよ」

「いや!ルーナにそれを、取り替えさせる気か!!セクハラだぞ!!私かレムが取り替えるべきだ!!」


「そうか?意味が解らんが、俺の裸そんなに見たければ、減るもんじゃ無い、リューシャが着替え手伝うか?」

「パンツだけだ!女物の着付け等出来んわ!!」


 リューシャはそう言って、さっとフンドシパンツを取り除き、チョウチンパンツを履かせ、腰の紐を縛った。


(儂より立派な物ぶら下げて、何処が女だ!!)



 シンプルなワンピースを着たルイは、不細工なオカマにしか見えなかった。



「………ルイ兄様は、顔が凛々し過ぎるのよ、ぶっとい眉を何とかするわ」


(もう、どうにでもして!)

「こうやって、瞼の上をジョリジョリ!…眉と目が離れると、可愛ゆく…間抜け?」

「チョッと待て!今間抜けって言わなかったか?」

「…そう!!メイクで誤魔化す!」

「チョッと待た!!誤魔化すと聞こえたぞ!!」


 笑いを堪える様に、リューシャやリンまで、顔が歪んでた。


(ルイ兄様は、12歳のくせに顔が男として完成し過ぎ!ある意味チョッとキモイ?何でこんなに魅了されてたか、訳が分からなくなるわ)


 パトラ、ペラ、ルーナのメイク技術は素晴らしい!3人に掛かればゴリラも美女に変身させられるだろう。


 手の施し様の無かったルイの顔を、誰か分からない美少女に変えた。


「完成です!!手鏡をどうぞ」


「おっおおぅ!!!これが俺か?か、可愛い!!」


「確かに凄い美少女だ、ルイの面影は瞳の色しか残って無いが」

 リューシャの言葉通り、全く別人のルイが立っていた。

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