第53話 メダを救え

 サンチョ軍は予想外に少人数だった。

 全滅処分は一瞬で終わった。


「これで、邪な陰謀も、迷惑行為も行えまい!」

「住民が、盗賊かこそ泥に成らなければ良いけど」

「パトラ、その時には、遠慮無く討伐すれば良い」


 最後の仙人は、どこに居るか?

 当初の予定通り、配下への説得はどうするか、検討中。

「近いのはモトだ」

「ルイ兄貴!メダは今、サンチョ軍と小競り合い、戦闘中だぞ」

「レム?千里眼の精度上がった?」

「気付いた?最近使用頻度の関係か、パワーアップしてる」


「サンチョ軍が少なかったのは、主要部隊が出払って居ったからか!ルイ!!リューシャ王国軍を集結させようか?」

「そうだな、レム余裕は有るか?」

「サンチョ軍は攻めあぐねて、兵糧攻め、防護璧を取り囲んでる」

「サガ王のサンガ軍、仙人王国軍、リューシャ王国軍、を集結!数の暴力でセンチョ軍を捩じ伏せ、メダ王国に恩を売る!!」


「うわぁ!ルイ兄様悪そうなお顔!!」


 リンの転移能力も向上してる、一度に千人以上転移出来る様になった。


 先ずサガ王と転移、サンガ王国軍、10000を召集戦準備をさせる。

 次に仙人王国に、チョッカク将軍と転移、15000の軍に戦準備をさせる。

 次にパルウ王国に転移、グイ将軍に5000の軍に戦準備をさせる。

 リューシャ王国軍も10000に戦準備をさせる。


 2日リンを休ませ回復させて、3日目一気にメダ王国に、仙人王国連合軍40000の軍を転移させた。

 流石のリンも、転移には半日必要だった。


 途中流石に、取り囲まれて居るのに気付いた、サンチョ軍が浮き足立っている。


 防護璧上のメダ軍は、サンチョ軍の増援部隊と勘違いで、絶望してる様子だ。

「リン、ご苦労様!!」

「流石に、疲れましたわ!ルイ兄様ぁ戦勝後の慰労期待してますよ!!」

「リン有っての作戦だった!何でもしてやる!」

「まぁ!何でも······」

 うわぁ!何でもは言い過ぎた!リンの笑顔が怖い!



「リューシャ、口上任せた!」

「ルイ殿、任された!」

 良い笑顔のリューシャは、ボイス能力全開で口上を始めた。


「サンチョ軍に告ぐ!!

 こちらにおわすは、世界を牛耳る仙人王国、国王ルイ仙人王様!

 隣はサンガ王国軍、ルイ配下のサガ王!パルウ王国軍、レム王子にリン王女!

 儂は、リューシャ王国、ルイ配下のリューシャ王である!!

 4万の軍が一斉に進軍すれば、一瞬でサンチョ軍を滅ぼせる!!

 それだけでは無いぞ!!ルイ仙人率いる仙人部隊も参戦しておる!!

 直ちに武器を捨て、降伏せよ!!」



 取り決めで、無反応もしくは、降伏を渋るようなら、俺とエミルで一暴れ、様子を見て行けそうなら、パトラとルーナも参戦する。

「ジン2、エミル行くぞ!」

 俺とエミルは地響きを立て、サンチョ軍に猛アタック!

 チラ見すると、エミルは、2の俺より強烈な攻撃をしておる。

「負けるか!」

 体当りで敵兵を吹き飛ばす。

 エミルがブチ当たった兵は千切れ飛んでる。


 パトラが飛んで来て、長剣で兵を凪ぎ払っている。

 ルーナも猛スピードで駆け回り、敵兵を斬り倒してる。


 俺達は、一当たりで引き揚げが、一瞬でサンチョ軍が半数に減ってる。


「たった4人の仙人で、全滅しそうだな?仙人は儂を含め、まだ4人が参戦待ちだ!

 命の有る内に降伏せよ!!」


 センチョ軍から、一斉に武器が捨てられた。


「メダ兵の諸君!良く持ちこたえた!もう大丈夫だ!安心せよ!!」

 防護璧上から、様子を見て居たメダ軍から、歓声が上がった。

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