第52話 サンチョ帝国は放置

 パトラの呼び掛けに、住民は冷たい反応だった。


 多くは無視、サンチョの関係者の少数が、罵声を浴びせる。

「前王国の生き残り!将軍様の子を孕む事を拒否したとか」

「将軍様の子を産む以外の役立たず!!」

「お前の居場所は、サンチョ帝国に無いぞ!」


 各地区を回り、どこも同じ様な反応だった。

 ミメルダ王は、よくもこんな住民達の地を統治出来てたと感心する、どうしようも無いクズ揃いの住民達だ。


 涙目のパトラが可哀想、民を富ませる政策は、略奪タカりのサンチョ将軍より、良い統治者に成ると思うが、まともに誰も聞こうとせん。

「パトラ!もう止めよう!民度の低い国民性、サンチョ将軍と、軍を討伐しこの地は放置する」


「····はい」

「いつの事になるか、良い民を集めてパトラ市を作れ!協力する!」

「はい···」


「では、皆で城に乗り込むぞ!」


 リンの転移8人で、サンチョの居城に乗り込んだ。


「怪しい奴!何者だ!!」

「貴様ごときに、名乗るのもバカらしいが、俺は世界を牛耳る仙人王国、国王ルイ!」

「儂は、ルイの配下リューシャ王国、国王リューシャ仙人」

「私は、ルイの配下パルウ王国、王女リン仙人」

「僕は、ルイの配下パルウ王国、王子レム仙人」

「私は、ルイ仙人様の配下、エミル仙人」

「ルイ仙人に救助された、ミメルダ王国王女パトラ仙人」

「王女様の侍女ペラ仙人」

「同じくルーナ仙人」


「ふん!役立たずの女どもも、仙人を名乗る?ルイ仙人とやらも、たかが知れた物だな」

「ジン2」『あいよ』

 俺は右から、同時にエミルが左から、この場の邪魔者を潰して回った。

 制圧終わり、エミルとハイタッチ!!

 打ち合わせた手の、爆音が響き渡った。


「たかが知れた?仙人様がどれ程の者か、思い知ったか!!」

 何が起こったか、愚鈍な将軍は理解出来て居ない。


「愚鈍な貴様が、理解しようが、出来まいが、処刑するのは同じだ!パトラ、殺るか?」


 パトラは返事の代わりに飛翔して、サンチョの首を懐剣で刺した。

 同時にルーナが地を蹴って、懐剣でサンチョの腹を刺して居た。


 殺し殺されが普通の世界、御場日傘で育った王女でも、敵討ちは立派に行われた。

「この調子で迷惑な、サンチョ軍も潰して置くか!リン軍本部に転移!」

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