第43話 ルイの反撃

 翌朝ルイの目覚は最悪だった。


「おかしい?身体が痺れて動き難い?」

「ジン!昨夜、何か変わった事は無かったか?」

『有ったぞ!ルイは麻痺ガスに遣られ、気絶した』


「麻痺ガス?」

『気絶したルイを、2人の暗殺者が襲った』

「暗殺者だと!!」

『ルイが我の呼び掛けに、反応せんので焦ったぞ』

「言われてみると、ジンがウルサク騒いで居たような?」


『取り合えず、3の回復使え!』

「3!回復!!···フゥ~···スッキリした」

『5と何度も繰り返すと、ルイが寝言で5と言ったので、危ういタイミングで暗殺者を収納できた』


「そうか、ジン!苦労掛けた、ありがとな!!」

『あぁ、無事で良かった』



 部屋から出ると、不寝番兵二人が喉を刺されて絶命していた。

 交番兵がやって来た。

「ルイ仙人様!これは?」

「昨夜暗殺者2名が襲って来た。その時に殺られたようだ」

「「暗殺者ですか?!ルイ仙人様は、ご無事でしたか?」」

「麻痺ガスで身動き取れん状態、危なかったが、賊は捉えた。

 ご苦労だが、三人の仙人を呼んできてくれ!」

「「はっ!!」」



「ルイ兄様!暗殺者とか!!」

「ルイ兄貴!無事か?」

「ルイ兄様!お呼び下さって嬉しいです」


「エミル!力は直ぐに使えるか?」

「はい!いつでも使えます!」

「皆!昨夜の暗殺者、収納から一人出すぞ!エミルは、即取り押さえてくれ!」

「はい!いつでもどうぞ!!」


「ジン!5」

『あいよ』


 黒い服の痩せた男が、収納から転げ出た。

 エミルは、男の頭を片手で押さえ、腕をねじ上げた。

「ボギッ!!」男の腕が異音を立てた。

 構わずエミルは、男の両腕を後ろ手に縛った。


「もう一人出すぞ!エミル!任せる!」

「はい!ルイ兄様!」

「ジン!」

『あいよ!』

 同じ様な服装、風貌の男が転げ出た。

 エミルは同じ様に頭を押さえ、腕をねじ上げ、両腕を後ろ手に縛った。


「ジン!0」

『あいよ』

 俺は暗殺者を鑑定した。

【アサシン部隊副官シン】インサ王国アサシン部隊副官、アサシ指揮官の部下、右腕骨折。

【アサシン部隊副官サシ】インサ王国アサシン部隊副官、アサシ指揮官の部下。


「レム!こいつ等と同じ様な服装、風貌の男を捜してくれ!」

「ルイ兄貴!任せろ!······居た!北に走る騎馬に乗った男が居る!!」

「リン!そこに転移!!」

「はい!ルイ兄様!」


「リンと二人で跳ぶつもりが、リンは全員転移させてる」

「うおぅりゃぁ!!」

 エミルは、馬諸とも男を持ち上げ、投げ飛ばし、転げる男を取り押さえた。


「ジン!0」

【アサシン部隊指揮官アサシ】インサ王の命令で、ルイ仙人暗殺の指揮を取っている。

 失敗を察して、インサ王に報告を急いでいた。


「皆!インサ王国を滅ぼす!レム!インサ王国、インサ王を見付けろ!!」

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