第36話 4個目の仙人の腕輪

 突然俺が仙人王の名乗りを挙げ、驚いた顔で衛兵達が呟いた。

「「「ルイ仙人様?」」」

 チビっこい俺は、全然凄そうに見えん様で、近衛兵達は微妙な反応だ。


「皇帝の処分だが、中央広場で公開処刑するつもりだ!」

 皇帝の止血だけの治癒を施し、両脇を後ろ手に縛りながら言ってみた。

「重鎮の意見を聞きたい!招集してくれるか?」

 治療の光に兵達が驚いて居る。


「重鎮は居りません、処刑されたり、追放されました」

「近衛隊指揮官は誰だ?」

「私です!隊長のロドスです!」


「宝物庫に案内せよ!資産状態で減税処置が変わる!」

「······宝物庫で、有りますか」


「緊急処置で、俺が財政を立て直す!」

「···こちらです」




 宝物庫は、金銀財宝で溢れていた。

『ルイ!オーパツがある!!』

「ジン?」

『真っ直ぐ歩け!』

 ジンの指示通り、宝物庫に入った。

『右!そこの金貨を退けろ!!』


 金貨に埋もれた、腕輪が見付かった。

『力の腕輪だ』

「力かよ?微妙!俺にはジンが居るから、要らねぇ」

『仙術使いの、仲間を増やせ!』


「これを使う奴が、この国に居るのか?」

『ルイが保管して居れ、仙術使いが現れれば、腕輪が反応する』

「一応持って置く」


「ロドス隊長!兵を全員招集!!」

「帝国兵は10000人居ます!何処に招集します?」

「一万?···中隊長以上を謁見の間に招集!!」

「それでも、1000人越えます」

「何か、凄んげぇな!!じゃぁ千人隊長と将軍を呼んで来い!」

「はっ!千人隊長と将軍を呼んで来ます!」


「ルイ兄様素敵です!!ギルも仙人王国の傘下!兄様の国に成りましたね」

「いや!軍人を見てからだ!!ギルみたいな奴が大勢居たら、厄介だぞ」


「それより、この腕輪使える奴が、俺達の仲間にスンナリなってくれるか、ちょっと不安」

「大丈夫!ルイ兄様の魅力で取り込めば、私の妹分にしますわ」

「力の腕輪だぞ?使い手はムキムキ筋肉男だろう?」


「仙人の腕輪は補助的能力は男、実働能力は女とグイが言ってました······?ルイ兄様は特別かしら?」

「だからぁ!俺は女だってずっと言ってるだろ!」

「ルイ兄様が女性だったら、言い伝え通りなのに、ね!」


「俺髪伸ばす」

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