第34話 ギル帝国帝都

「ルイ兄様!ここがギル帝国帝都ですわ」

 結局リンと二人転移して、帝都にやって来た。


「引っ付くな!!歩き難いぞ」

「では、手を繋ぐ!!デートに成らないので、これ以上譲歩出来ませんわ」

「だからぁ、デートじゃ無いし」


 リンのお陰か、幸せそうなバカップルに、人々の口は軽く結構重要な話を聞き出せた。


「兄ちゃん!!安くするよ、買っておくれ!!」

「見たこと無い果物だね」

「ザンバ村特産のバナナだよ、一本食べてみな!!こうやって皮を剥く!そら嬢ちゃん」

「ルイ兄様、美味しいですわ!!半分どうぞ」

 リンが半分食べたバナナを差し出してくる。

「ハムッ!甘い!!旨い!!食った事ねぇ美味さだ!!」

(むふっ!口付けと一緒ですわ)


 余程美味かったのか、リンがとろける様な笑顔だ。


「旨いだろ?この一房、そうだな気に入ってくれた様だから、300Zに大負けだ!!持ってけ!!!」


 二人で抱えてやっと持てる、大きなバナナの房300Zは安い。

 露店のオヤジの調子に乗って、即購入。

 大銅貨出して「オッチャン3房!!釣は要らねぇ!!」

「兄ちゃん、太っ腹!!!」


 衝動買い困った!持てねぇ!!

⦅ジン!デカイの収納なんて有るか?⦆

「あるよ!5無限異次元収納」

⦅有るんかい!お前本当便利な奴だな!!⦆

「もっと誉めろ!!」

⦅ジン!偉い!!5、収納!!⦆

 目の前で、バナナが消えて、オヤジが驚いてる。


 今がチャンス!まともに思考出来ないオヤジに。

「オッチャン、俺達ここに住もうと思ってるが、どうだ?帝都は住み良いか?」

「大きい声で言えないが、兄ちゃん止めとけ!!税は無茶高!戦争が始まるそうだ!雑兵に招集されるぞ!!」




 敵を知る為、その後も聞いて廻った。


 噂ではギル皇帝も、ノットリ帝国のノットと同じ凄まじい悪政執行してるとの証言ばかり、ノットは取り巻きが悪だったが、独裁のギルは良心的発言者だった大臣を処刑したとか、滅ぼし決定だね。

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