第26話 ノットリ帝国

「サガ王、いつまで着いて来る?」

「ルイを見てると飽きん、この問題をどう解決するか見届ける」

「お前王様だろう、そんなのでサンガ王国大丈夫なのか?」

「サンガは、金貨を造幣しておる裕福な国、儂が不在でも問題無い」


 ゾロゾロ大人数で行くのは、嫌なので同行はチョッカク将軍、二粒の真珠にシロとゴロ、サガ王にゴンザ将軍の8人。


「ルイ仙人!ノットリ帝国が見えたよ」

 二粒の真珠、弟のレムは遠見の腕輪、千里眼の能力がある。

「何日先だ?」

「3日」

 二粒の真珠、姉のリンは転移の腕輪、レムが見た場所に転移する事が出来る。

「リン!転移出来るか?」

「ルイ仙人、任せて!!」


 リンと手を繋ぐ、レムも手を繋いでいる。

 サガやチョッカク達5人は、俺達の肩や頭に手を置く。

「リン、転移!!」


 軽い目眩の後、高い防護壁が行く手を塞いだ。



 立ち塞がるなら、ぶっ殺す!!

 堂々と突き進む、が·····マッタク意気込んでバカみた。


「門番何の為に立ってる!!俺達怪しいだろ?誰何せんか!!」

「小僧!さっさと行け!!」


 門番なぜスルー?何故相手にされん?

 廻りを見ると、もっと怪しい連中で溢れておる。



 怪しい集団で溢れてる街中、取り合えず飯屋に入った。

 ごった煮に焼き肉、パンにエールを注文、8人分銀貨2枚?

「高けぇ!!!」

 高いのに不味い飯を食いながら、辺りの会話に耳を澄ませる。


 怪しい集団は、戦時臨時召集の雑兵達だった。



 俺の勝手な行動、皆は馴れてきたようで、単独調査無言で見送られた。

 ってか、不味くても久し振りの温かい飯、食うのに夢中?



 街中をぶらつく。


 侵略国家は、ノットリ帝国とその傘下のフズ国にレイ国。

 フズとレイはノットリ帝国の完全な属国、王は廃除され代官が置かれていた。


 大袈裟な武装はしているが、130センチ程の非力そうに見える俺は、ノットリ帝国の住民から、苦労する事無く情報を得られた。


(ノットリ総統は嫌われてる、独裁者ならカリスマが必要、住民の支持が無ければ裸の王様だ)


総統あたまって、腰巾着をれば、この国も俺のもの」

 物騒なこと呟きながら、城を目指すルイだった。





 ◎◎◎




「ルイ仙人帰りが遅くないか?」

「まさか、一人で殴り込み、やらないよな」

「「ルイ仙人様ならやる!!!」」


 念の為とレムが千里眼を使った。


「わっ!大変ルイ仙人一人で城に入ってる!!」


「あのバカ!者共加勢に行くぞ!!!」


 サガが飛び出し、皆も後を追いかけた。

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