第25話 少しは落ち着かせろ!

 ルイを送り出した、仙人村(開拓村)では。


「ルイは元気にやっておるだろうか」

「最後の最強オーパーツ持たせたから、案外この大陸全て平定して居るかも」


「流石にそれは無理だろう、最初のオーパーツを見付けた位じゃないか?」


「ルイを送り出して、長きに渡った仙人村の役目も、これで終りじゃ」

「後は気儘に各自、好きな事をして暮らせ」


 仙人村の役目とは?何だったのでしょう。




 ◎◎◎




 アラス改めパルゥ王国が、突如ルイ仙人王国の配下に加わり、20日が過ぎた。


 パルゥ王国の状態も、あまり芳しく無かった。


 独裁制侵略国家は、なぜ国民を省みない?

 金食い虫の軍備強化に、国民から資金を吸い上げるのみに専念し、国を富ませる努力を全くしない。


 取り合えず、国庫には溢れる金貨がある。


 マルカク城下のように、炊き出しが必要では無いので、国民に、2年間納税免除を発表すると沸き立った。




 敗戦国からの略奪が収入源では、健全に国営出来るはずが無い。

 3000人もの職業軍人に、グイ将軍から指示を出させ、屯田兵に仕立てた。


 農業で収益を出さない限り無給と、言う厳しい条件に賛同したのは僅か700人、2300人が退役し実家家業に専念している。


 実家は主に百姓で、農業人口が増えると、食料増産が見込める。

 その次に多いのが、武器を主に生産してた鍛冶職人、農機具や包丁製作せよと指示を出した。


 包丁は、大親方が認めた職人に、アラセキ-マゴロー銘を打たせ、よく切れる包丁と、人気商品になり、耳の良い近辺商人が仕入れに来るようになった。


 開拓村のじいさんが、二股の小枝の先端に、薄い刃物を取り付け、芋の皮剥きしてた。

 その皮剥き器を、溢れた鍛冶職人達に指導、15人に生産させ人気商品になった。

 材料費が掛からず、安価で売れる為皮剥器も、パルゥ王国特産品に成りつつある。



 国民が徐々に富みだして、何とか余裕が出始めると、敏感に嗅ぎとって、富を略奪しようと考える国が出始めた。

 軍人を700人に減らした、情報も確りながれ、御し易しと思われた事も拍車をかけた様である。


「クソども!少しは落ち着かせろ!ぶっ潰すぞ」

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