第22話 パルゥの二粒の真珠

「ルイ仙人殿!アラス王はあそこに見える二重の搭に行って居ります!どうかリン王女とレム王子をお救い下され!!」

「アラス王は処分して良いか?」

「勿論殺して下され!この国はアラス王国に非ず、パルゥ王国を侵略し勝手にアラスと奴が言って居るだけです」


 探し回って行き着いた二重の搭、奴は二人の子供に短剣を押し当て、俺を睨んでおる。


「ち、近付くなぁ!!近付くと、二人を殺す!!!」

「ガキを殺す?それが俺に何の関係がある、殺すなら殺せ」

「リン王女、レム王子だぞ!!12歳になれば、オーパーツが使えるようになる!!!」


「オーパーツ?ルイ仙人様が使ってやる、俺は12歳だ」


 リン王女とレム王子が、驚いたような顔で俺を見詰めた。


「ふんっ、小僧に使える様なオーパーツでは無い!!」

「小僧では無い!俺は女だ!!」


 さっと飛び込み、アラスの腕ごと、短剣をもぎ取った。

「ギャッギャァ!!」

「うるさい親父だな、寝てろ!!」

 俺は、痛みで転げ回るアラスの頭を、蹴り飛ばしてやった。


「「ルイ仙人!貴方は仙人村から、いらっしゃった?」」

「仙人村?いや、隠れ里みたいな、森の開拓村から来た

 それから間違ってる!貴方で無く貴女だ!俺は女だぞ!!」


「ルイ仙人って女性?冗談きついですよぅ!」

 レムと言ったか、ガキめムカつくぅ!!


「レム!失礼ですよ!!女には見えなくても、ルイ仙人には事情がお在りなのでしょう」


 リンってガキもムカつくぅ!

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