第21話 アラス王は何処だ

 アラスの村や町を駆け抜け、アラス王都が見えて来た。

『ルイ!休め』

 指輪のジンが突然言った。


「アラス王を打ち取ったら休む」

『これ以上やると、ルイの心臓が破裂するぞ』

「ん何とも無いぞ?」

『ルイ、お前の身体は12歳、まだ未熟な状態だ、これ以上の酷使は異常をきたす!休め』


 ジンが、これ程しつこく言うなら、従った方がよいだろう。

 ルイはその場に座り、水を飲みながら、遠くに見える城を眺めた。


「常備兵が2000で農民兵が1000と言ってたな、3000の兵で突然奇襲されたら、防戦出来んところだった。

 様子見で、軽い略奪から始めてくれて助かった」


 負ける事は無いだろうが、多くの被害が出た事だろうと思うルイだった。




 30分程経った頃ジンのお許しがでた。

『もう良い、万全の状態だ』


 立ち上がり、尻の汚れを叩いて、走り始めた。



 城門前の広場に、アラス兵が集合、出陣前の訓辞か将軍らしき爺が、大声を出しておる。


 俺も負けず大声を出した。

「アラス王は居るか!!俺はルイ仙人!!」


 将軍らしき爺は目を見開き、俺を凝視しておる。

「ガキを取り押さえよ!!」

 近くにいた、下っぱ武将が叫び、3人の兵が近付いて来た。


⦅ジン2⦆

 3人の兵を軽く押した。

「「「ギャッ!」」」

 悲鳴と共に3人吹き飛んだ。


「静まれ!!」

 爺が大声で兵達を制止させた。


 爺が俺を凝視して言った。

「ルイ仙人殿!森の奧、開拓村から、お出でなされたか?」

「あぁ、爺さん、開拓村を知って居るのか?」

「はい!存じております!!ルイ仙人殿はオーパーツをお持ちで御座いますか?」

「爺さん!オーパーツを何故知って居る?」


「おぅ!!二粒の真珠と共に、この爺グイ長き時、貴方様をお待ちして居りました」


 爺さん何か勘違い?

 それとも、開拓村の関係者か?

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