第19話 アラス兵を蹴散らす

⦅ジン2⦆小声で指示し、中村に向けて突っ走る!


「ルイ援軍は?···消えた?」


「サガ王様、ルイ仙人の本気モードです」

「略奪軍は今頃全滅してると思います」


「サンガに伝令を送り、討伐軍勢を準備援軍と思うたが·····」

「少数で向かい、敵を侮らせた方が、ルイ仙人様が動き易いでしょう」


 それでもと思い、護衛10人を引き連れ、中村に向けて走った。

 シロ達も、ついて走った。






 その頃中村では。


 村人は全員指示していた通り、集会所に立て籠り救援を待っておる。

 無人の村、略奪しほうだいのアラス兵達に、ルイは声を掛けた。

「おい!お前ら何をしておる!!」


 一瞬ギョットしたが、見ればガキ一人、略奪に忙しいが、生意気なガキは懲らしめる必要がある。

「ビックリさせるな小僧!」



「小僧では無い!!」


 小僧が叫んで、姿がぶれた。

 再び姿がハッキリ見えた時、部下の兵20人が、首から血を噴き出し倒れていった。


「あれっ?俺が立ってる姿が見える?、どうなっておる?」

 頭が転がった、アラス兵小隊長の、最後に見た不思議な風景だった。


「次は継ぐ村だな」

 呟いて、ルイが消えた。






 占領するつもりのようで、野党と違い村に火を放つ行為が成されて居ないのが、せめてもの救いだな。


 抵抗したのか、数人の遺体が転がってる。

「指示通りに何故行動しなかった!」

 継ぐ村の惨状を見て、ルイが呟いた。




 略奪が終わって、引き揚げるアラス兵に、ルイは無言で襲いかかった。


 山刀やまがいで無く、背中の長剣を引き抜き、略奪兵の首を跳ねて行った。

 諸刃の剣を、左右に4回振り終えた時には、20人の兵の首から上が転げ落ちていた。


 後は先頭を歩く、隊長をぶん殴って終了、兵達は己が死んだのさえ気付かない一瞬だった。


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