第15話 寂れた王都復興政策

 先入観持たんよう、シロ達をお供に王都探索してみた。


 何にも無い、痩せ細って死んだ様な目をした、多くの住民、唯一どこに行っても目にするのは、焚き付けにするのか、大量の麦わらのみである。


 住民の腹を満たす事が先決、政策はそれからだ。



 城の厨房要員5名、街の3軒の食堂の従業員、それに兵達に命じ、団子汁の緊急炊き出しを実施した。


 炊き出しに集まった住民に、徹底する。

「明朝広場に集まるよう、城主様より重大発表がある!」





 広場に集まった住民に、開拓村の年寄が、草で帽子や手提げバッグを編んでいた。

 あれを、無駄に転がっておる、邪魔な程ある麦ワラで、編む事を指導した。


「良い?先っちょのボサボサと葉っぱは取り除く!中の芯だけ利用、取り除いた物は、今まで通り焚き付けにして」


「芯は長さを揃えて置く

 麦わらを、こう並べて、互い違いに編んで行く」

 10人の手先が器用な女性に、個人指導する。

 他の人は、手順を覚えるよう、見学させている。


 つば広の麦わら帽子とキャップ型の2種類と、別組みに手提げバッグの指導をした。


 帽子生産作業場は、店じまいして空き家になってる、3軒の商店を利用した。



 麦わらの処理をする者、麦わらを編む者、仕上げの縁取りに布を縫い付ける者、適材班分けをして、作業を始めさせた。


 子供でも年寄りでも、作業者には月給銀貨1枚の通知に、皆の目の色が変わった。

 10人の監督役の女性には銀貨2枚支給する。


 手先の器用な男は結構居るが、根が続かん。

 作業に役立たずの男達には、王都から5村の間の荒涼とした草原、これを屯田兵と共に開墾、雑草の様に強い繁殖力を持つ、細芋の栽培をさせた。


 細芋は食料不足を解消するに留まらず、焼酎酒造や芋飴等、趣向品に加工する予定だ。



 屯田兵と男達の中に、弓の上手い者、20名を引き連れ、5村の外れ森林で猟を始めた。



 弓名人達を前に、蘊蓄を垂れてる。


 矢を上手に的に当てる者が、猟で獲物を沢山捕るか?

 答は否である。

 猟はいかに獲物に気付かれず、近付けるか、そして獲物の急所に矢を射て、一撃で倒す技術が無ければ、猟は出来ない。


 師匠の受け売りを、偉そうに指導してやった。


 たったの一月で、仙人王国は活気が溢れる王都に変貌した。


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