第14話 仙人城の城主

 儂は丸角王国、大将軍だったチョッカクである。

 身長2メートル、体重108キロ筋肉質の自慢の巨体だ。


 向かう所敵無し、自他共に認める天下無双の大将軍だった。

 それが、身長130センチ吹けば飛ぶような、童との一騎討ちで一方的還付なき敗北の憂き目にあった。


 何が何やら解らんが、他を寄せ付けん、無茶苦茶な強さで、空を飛んでさえ見せた。

 人とは別物の生き物にしか思えん、物語の仙人様その者である。


 その相手、仙人ルイ殿は一段高い玉座に、胡座をかき我ら一堂を見下ろしておられる。


 ルイ殿は、短く刈り上げた黒髪、帆船の帆を裁断し縫い上げた、実用本意のズボンに、道着の様な上着の前を合わせ、腰の位置を幅広の紐で縛っている。

 腰には、60センチ程の鉈の様な山刀を差しておる。


 冗談に聞こえたが、サガ王の紹介では、「美少女プッ、ルイ」だとか?

 ルイ殿本人も「小僧では無い!俺は女だ!!」と仰って居られた。

 肝心のお顔は·····

 女っぽく無い?


 どう見ても、悪ガキ!女には見えん!!

(困ったぞ、女王様とは、よう言わん···仙人ルイ様で通すか)



「·····と、言う訳で、チョッカク大将軍と皆の協力を期待して居る!解散」

「シロ達は、この場に残れ!!」



「ヤバイぞ!!話を何も聞いて居らん、今後の方針は?」

 解散と言われたなら、退場するしか無い。

 部下の誰かに、何の話だったか、確認せねば!!



「おい!カクノ!仙人様は要約すれば、何を望まれて居られる?」

「大将軍の指示で、兵全員が屯田兵になるそうです」

「·····その、屯田兵の意味が解らん」

「平時は、田畑を耕し、作物を育て、有事に兵として戦う、と仰って居られました」


「仙人王国の兵隊は、全員百姓か?」

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