第12話 丸角城占領

 王都って1つじゃ無いって初めて知った。

 ここは丸角王国の王都と言うこと。


 近隣に、丸角領の5つの農村があるだけの貧乏国で、王都も期待外れ、古ぼけた街並みの活気の無い所だった。


 既に王都は、サンガ国軍が占領状態で、国王と敗残兵が籠城して居る城を落とせば完全勝利である。


 城は水を湛えた堀に囲まれ、石と漆喰で建てられた、小規模だが堅牢な造りで、全体を黒い漆喰で仕上げていた。


「ルイ!!小さいが綺麗な城だろう!」

「あぁ、これを俺にくれる約束だな?」

「ルイ、一騎討ちのお膳立てしてやる!自力で手に入れてみよ!」

「あぁ!やってやらぁ!!」



 一騎討ちで勝利すれば、無条件で兵を引き揚げる、負ければ城を明け渡せ、とサガが呼び掛けた

 相手は弱そうなわらべ、旨過ぎる話に懐疑心からか、応じようとせん。


 俺とサガを残し、サンガ兵を全て王都の外に退かせ、やっと一騎討ちに応じ、巨漢の相手が城門から出てきた。


「おや、大将軍自らのお出ましですか」

「サガ王久し振りだな」

「お前、こいつと知り合いか?」

「あぁこの男とは学友で、丸角大将軍のチョッカクだ」

「サガ殿をお前と呼ぶ、このわらべは誰だ?」


「この美少女プッ!は我が国最強、千人大将ルイだ」

「こらぁ!プッは何だプッは!」

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