第11話 破格の報酬

「誰を切り殺せば良い?」

「待て待て!!試合は木剣で行う」


「そうか?初めて人を斬れるって楽しみだったのに」

「ルイは見掛けに依らず狂暴だな」

「冗談だ、仲間に成るかも知れん奴、斬れるか!」


「疑わしそうに、俺を見るな!冗談の通じん奴だな」

(まこと仙人で有れば、貴重な人材、剣術も秀でて居れば、絶対手放さんぞ!面白いガキ、手元に置けば飽きんだろうな)


 ジャイに違わん巨体が、相手に選ばれた。


 相対すると、巨体が挑発してきた。

「王に対して無礼な小僧め!ただでは済まさん!!」

「小僧では無い!!」


「始め!!!」


「ジン2」

 俺の木剣より、倍程長い木剣が振り下ろされた。


 こっちは10倍速度、ユックリ降りて来る切っ先を眺め、俺の頭に当たる瞬間、チョイと下がって鼻先1センチの所を通る様にした。


 柄の握り絞って無い、力任せにぶち当てる気だった事を確認し、骨折させる気で、籠手を打ち据えた。


 ボキッと気持ちいい音が響き、木剣がカラカラ音を立てて転がった。

 気持ちが収まらないので、軽く頭を木剣で殴ってやった。


 巨漢は地響きを立てて、昏倒してた。



「天晴れ!!剣の達人ゴンザを寄せ付けぬルイ!見事であったぞ!!」

「当然の結果だ、それよりゴンザの無礼な戦い方、手首を折って遣ったが、治した方が良いか?」


「ん?ルイ?医術の心得が有るのか?」

「んな上等なもんじゃねぇ、治すだけだ」


 気が付いて、痛みに顔を歪めるゴンザ。

「治せるなら、治療してくれぬか?」

「報酬は?」

「ガメツイ奴め、丸角城の城主は決定、加えて儂の側近では?」

「お前のそっきん?それより金貨10枚でどうだ?」

「ルイ?意外と欲が無いのぅ···金貨で良いなら100枚やるぞ」


「ひ、100枚だとぅ!嘘じゃ無いな!!即治す!」

 痛がるゴンザの、右手首に軽く触り⦅ジン3⦆と呟き、ドラゴンの回復魔力を流す。


 患部が治る時、輝くのもパフォーマンス的に目を引く現象だ。


「おうっ!仙術を初めて見たぞ!!」

(千術?何の事?まっ良いか金貨100枚~♪)

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