第5話 小僧ではない!俺は女だ!!

「何か村に帰りたくなった」

 俺の事、悪がきとか言いながら、肉の支給に感謝されてた様だ、なけなしの金餞別でくれた村人達、師匠との狩りはヤッパ楽しかったな。


「嫌な貧乏村と思ってたが、生まれ故郷はヤッパ良いもんだ」

『主、帰るか?』

「んな訳ねぇ!やっと自由になれたんだ」


 辺りが薄暗くなって来た。

 こんな森の中、一人で野宿出来んな?「ジン2」

 途中水を飲むだけで、夜通し走って森を抜けた。


「もう、ここは安全かな?流石に疲れた」

 今度は干し肉乾パン、良く噛んで食った。

「ジン!少し寝る、何かあったら起こせ!!」

『あいよ!』




「寝た気が全然せん!」

 起きて水を飲み、歩く気がせず、ぼんやり時間を過ごした。


 長時間へたり込んでいた場所は、街道に出る細い道で人通りは殆ど無く、道のど真ん中に座り込んで居て、目立ったようだ。

 善からぬ人達に。



「ガキが一人で何してやがる?」

「何をしようが勝手だが、その大層な武器は俺達が使ってやる」

「通行料も置いて行け、有り金全部だぁ!」



 むさ苦しい小汚ない男が5人、精一杯の威嚇を込めて、何かほざいてやがる。


「お前ら盗賊か?」


 座った状態から飛び出し、中央の男の鳩尾を打ち、前かがみになった所で、喉を突く、流れる様に隣の男の鳩尾をひじ打ち、前のめりした鼻の下に裏拳叩き込み、襲い来る男に後ろ蹴り上げ、顎を砕いた。


 瞬きする瞬間に3人倒す、残り2匹。

 盗賊は、何が起こったか気付いてない。




「盗賊、迷惑わび料、支払って貰おうか!」



「こ、小僧!!」

「小僧ではない!俺は女だ!!」



 山刀を抜き、峰で2匹をトントンと殴り倒す。



「イノシシより狩り易かったな」


 盗賊の持ち物漁りです。

、盗賊の上前はねて、お主も悪よのぅ』

「指輪様程では御座いません、ハハハッ」


 悪代官ゴッコ、ジンと遣りながらの成果、金貨1枚銀貨6枚銅貨···数えれねぇ!!無数。

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