第2話 指輪と腕輪の秘密

 身体が、かっと瞬間熱くなり、嘘のように治まった。

 倒れかけたルイは、ぐいっと両足に力を込めて踏ん張った。


 バリッリッ!!


 踏ん張った両足は、異音と共に石畳を踏み割っていた。


 石畳が割れ、足を取られたルイは、多々羅を踏んで前に倒れかけ、腕輪を祀った石像に手を突いた。

 その拍子に、石像の頭が砕け散ってた。


「あれれっ?この石柔い?」

「そんな事あるか!硬い石だぞ!」


「不思議?床も石像もフワフワな感じ」

「床の石も硬いし石像だって、硬い·····その指輪と腕輪オーパーツ遺物かも知れんぞ!」

「おーぱーつ?何それ」


「過去も現在も製作不能な、謎の遺物だ」

「へぇ~聞いた事ない」


「噂だ!王宮の宝物庫には在るそうだ」


「外せんなら、力加減出来る様に訓練だ!」


 このままでは危険と思ったクマイは、何とかルイが力加減出来るよう、知恵を絞った。



 師匠は凄い、始めに木の枝を握り潰さない練習。

 石畳を踏み割らない歩行訓練。

 師匠の指導で、見る間に制御出来る様になってる。


 20分程で意外に簡単に、制御がほぼ完璧に出来る様になった。

 でもまだ、無意識に歩くと踏み割ってる。


 にわか雨があがり、いつまでも訓練してる訳に行かないので、恐る恐る祠から出た。


「地面を歩くのが怖いよ!」


 雨で濡れた地面は、普通でも滑って転ぶ、今の状態で歩くのは、難易度高い。

『何故我に命令せぬ』

「えっ?師匠何かを言った?」


『師匠では無い、主の指輪が我である』

「指輪?お前が喋ってるの?」

『我は元魔神の持ち物、主が魔神を討伐したので、持ち主変更になった』


「魔神なんて、討伐して無いぞ」

『石になった魔神の頭部を破壊したであろう』

「あの石像の事?」

『是』


『魔神の力が宿った物が、腕輪である!我に命じれば力を落とせる』

「力を落とせ」

『1に落とす、因に今は2である』

「これで2?上はいくつある?」


『1は力の強い大人、2は大人の10倍の力、3はドラゴンの力』

「待った!ドラゴンだぁ?」


「おい!ルイ大丈夫か?ブツブツ独り言言って」

「師匠···痛い!!」

『秘密を話すで無いぞ!』「いたた!·····分かった」


 返事と同時に、親指の千切れる様な痛みが治まった。

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