第8話 隠しダンジョン:迷路と道中
とりあえずダンジョンについてまとめようか。セトに聞いた話だと、他にもダンジョンはあるらしい。ダンジョンというのはざっくりいうと、迷宮のようなフィールドで最深部などにいるボスを倒すと報酬などがもらえるところらしい。β時代では「トリチュアール」とは違うところで始まっていたらしく、そこでダンジョンがあったようだ。正規版になってからは見つかっておらず次の町になってからかと思っているらしかったのでこんなところにあるのは意外だった。まぁ、隠しとついている時点で本来なら見つからないのだろうけど。実際にユオンが見つけなかったらわからなかったし。
「とりあえずせっかくユオンが見つけてくれたんだし、先に進んでみる?」
「きゅ!」
ユオンも頷いてきたので進んでみる。獣道のようなものは今のところ見えなく、ただただ森の中の一本道のようなものが広がっている。ある意味誘われているのかと思ってしまうが、特に気配が感じるわけでもないので大丈夫なのだろう。しばらく歩くと開けた場所に出た。
「ん~、少し歩いたけど何も出てこないね。」
「きゅ~」
セトから聞いたダンジョンと違い今のところはモンスターが出てきていない。正直、出てきても普通に戦えると思うけど。再び歩いていくと道が左右に分かれていた。
「へぇー、次は分かれ道なんだね。ユオンはどっちに進みたい?」
「きゅ・・・きゅ!」
しばらく考左の方面を左の方面を指していた。
「よし、それじゃ左側に行ってみようか。」
ということで左の方向に進んでみる。
「っと。」
再びの一本道だが、しばらく進んでみると横の茂みから殺意を感じたので後ろに飛ぶ。茂みの中からは緑の葉で赤い石が目の部分になっている狼のようなものが出てきていた。
『「フォリウムウルフ:ダンジョン生成」 LV.15
体が葉でできたウルフ。ウルフから特殊進化する際に、周りの葉の性質に応じて能力が変化する。本来のウルフより集団戦による攻撃が苦手になっているが、周りの葉に紛れることにより隠密性が増している。
ダンジョン生成により【テイム】などの一部のスキルを無効化する。』
フォリウムはラテン語だと「葉」だし、そのまんまな名前なのか。こういうダンジョンでは【テイム】はできないようだし、そのまま倒そうか。しかし、持っている木刀で切りつけると当たる寸前で形が崩れ、少し離れた場所で再形成して攻撃してきた。
「へぇ~、攻撃に当たる前だからダメージはないし、周りの葉と同じだったらまぎられるってことかな。」
再び切りかかっても同じ結果になりそうなので【ライトショット】で攻撃してみる。そうすると普通に攻撃することが出来たので魔術の場合は避けることが出来ないのであろう。途中からはユオンも加わり比較的楽に倒すことが出来た。
「さて、ここのあたりはフォリウムウルフしか出ないのかな?」
「きゅ?」
当然独り言なので返答はない。しばらく歩いて、戦っては曲がり角で曲がってと繰り返していると階段を発見した。
「お、これが下に行くためのものかな。ここには宝箱とかもなかったし、ただの迷路っぽい感じだったけど。実際に何回かは通行止めで戻ったりしてたしね。」
階段で下に降りてみるとほとんど上と同じような景色が広がっていた。
「ありゃ、また迷路かな?」
ということで再び進んでいるが、今度は木も動いていた。鑑定してみると、
『「トレント:ダンジョン生成」 LV.15
木が一定以上の魔素を浴び続け魔物化した姿。図体がでかく体力や防御力が高いがその分動きが遅く、遠距離からの攻撃方法を持っていると楽に倒せる。変化した木によって、強さや能力が異なってくるが、火を使わずに倒すと素材として上質な木材を落とすため、木工職人などに人気がある。
ダンジョン生成により【テイム】などの一部のスキルを無効化する。』
トレントはいろんな場所で出てきそうだ。戦ってみるが、確かに【ライトショット】だけで倒せたので楽な相手だった。レベルの差もあるがステータスのおかげで楽に勝てているようだし、しばらくは大丈夫だろう。途中で出会うたびに戦ってと繰り返していると、大きな扉が見えた。
「おそらく、次がボスだと思うし、休憩とステータス確認してから行こうか。」
「きゅ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます