第7話 西側へ
というわけで西側に来たわけだけど、出てくる敵はほとんど同じだ。出てくるのは、一角ウサギとウルフらしい。パッと見た感じではすばしっこさが増したり、より連携になったりしている感じだ。まぁ、攻撃力とかも上がってるぽいけど。さっきまで鑑定してなかったし見てみるか。
『「一角ウサギ」 LV.15
レッサーラビットから野性的に進化したウサギ。より攻撃的になっており、素早い動きで翻弄する。』
『「ウルフ」 LV.16
レッサーウルフから進化した狼。より集団戦に特化しており、連携した攻撃が多い。』
敵を鑑定するとこのような形になるらしい。レベルと説明だな。この辺りはアナウンスではなくて視界の端に文字が流れる形だ。アイテムとかの鑑定だと真ん中だが戦闘のじゃまにならないようにするための配慮だろう。まだユオンがいるし、【テイム】をする必要はないだろう。まぁ、やりたくなったらやるかもだけど。
「よし、やるかな。」
目の前に現れたウサギを前に木刀を構える。ちなみにユオンは別のところに一人で戦いに行った。まぁ、飛んでるし相手からしたら攻撃が当たらなくてうざいだろうけど。
「っと!」
ユオンの方を見ていたらウサギが突撃してきた。先ほど戦っているときから思っていたがウサギ系の魔物は突撃して攻撃するかこちらを地面代わりにして蹴りの攻撃を入れてくるしかない。なので少しでも体を横にすれば普通に避けられる。避けた後、再び突進してきたが今度も横に避ける。ただし、ウサギが通り過ぎる前に首に向かって木刀をふるう。
「きゅい!」
これが本物の刀であったのなら切り落とせるのだが、木刀であるため、下に叩きつけるような形になってしまった。まぁ、ゲームだからか、セトが切っていた時にはポリゴンでエフェクトが入っていただけだったが。そのことからも部位に一定数攻撃を当てるなどをしないと切り落とすとかは無理なのだろう。とりあえずたたきつけたウサギに対し、再び切りつけるとポリゴンになって消えていった。ちなみにドロップアイテムとかは肉や皮などが手に入るらしい。アナウンスなどではレアドロップ以外では流れないとセトに聞いた。
次にウルフと戦ってみる。ウルフは大体五体から六体で行動している。連携がうまく本来なら何人かで戦うのがいいのだろうが、仲間同士の衝突を避けてなのか一匹づつしか来ないのでそこを狙う。ゲームの中では突きを放っても相手の肉や骨に引っかかるなどして抜けなくなることがないため、突っ込んできたところに目の位置にあわせて突きを放つ。もちろん相手は鼻が利くので目をつぶされても攻撃はしてくるがこれだけで連携はできなくなるので楽だ。あとはそれっぞれに同じことを最初にしたらほとんどウサギと同じように倒せる。
「よし、まぁこれくらいだと技を使うことも必要なさそうなんだよな。」
「きゅ~?」
「っと、ユオンどうしたn」
飛んできたユオンの方向を見ると、顔に突っ込んできた。
「うおっと。どうしたの?」
ぎりぎりで抱きとめて問う。するとどこかに案内したいのか先ほどまでユオンがいた方向に向けて顔を動かしていた。
「あっちに行けばいいの?」
「きゅ!」
とのことなので向かってみる。しかし案内がやんだのは木の前だった。この道中でプレイヤーの姿が全く見えないのでこの辺りまでは進んでいないのだろう。正直、獣道のようなところを通ってきたので本来の正規ルートのようなところは外れてたし。
「木しかないんだけど?」
困惑していると腕の中からユオンが抜け出し木に向かって突撃して行った。そのまま木に当たると思ったときにユオンがそのまま中に消えていった。
「え?というか大丈夫なの?」
しばらくすると待ってても来ないことに疑問を思ったのか木の中から顔だけを出したユオンが首をかしげながら出てきた。中は安全なのかは心配だし、そもそもなぜ木にぶつかっても無事なのかは不明だし、何があるのかも不明だしで結構疑問に思うことがある。まぁ、何かあったとしても後でセトに確認をすればいいかな?という思いで中に入ったところ、
『隠しダンジョン「隠れ木の森」に突入しました。
称号〔隠しダンジョン発見者★〕を取得します。』
…というわけでダンジョンに入ってしまったらしい。しかも隠し。
「どうしようかな~、これ?」
やっぱりセトに連絡してからにすればよかったかも。
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