第5話 ギルドの説明

セトが扉を開けると中は外よりも騒がしかった。まぁ、セトが入ったらもっとうるさくなったんだけど。セトはスルーしてるしいつもこんな感じなのだろう。

「で、あっちが受け付けね。そこで登録が出来るよ。」

「オッケー。」

とりあえず空いているところへ向かう。まぁ、何というか美男美女が人気らしくそこ以外がすいていたので空いているほうが楽だと思ったからだ。

「すいません。登録をお願いしたいんですけど。」

「かしこまりました。ではこちらの魔道具に触れてください。」

そういわれて前に出されたのは、台座に乗った水晶だった。

「魔道具?」

「魔道具とは簡単に言うと何かの能力を持つ道具の事ですね。こちらの魔道具では殺人や窃盗などの犯罪行為があるかないかを判断させることが出来ます。ほかには相手の名前ぐらいですね。」

なるほど。犯罪者はお断りってことかな?特にそのような行為はしていないので躊躇なく触る。こちらからは変化はわからないが相手からは変化があったのだろう、水晶を見て頷いた後に何かのカードをこちらに差し出しながら話しかけてきた。

「カナタ様ですね。犯罪履歴がないことが確認できました。こちらが冒険者ギルドのギルドカードでございます。」

渡されたカードには「G」という文字と俺の名前があった。

「ギルドのランクについて説明させていただきますね。ギルドのランクでは低いほうから、G F E D C B A S SS SSS X XS XSS XXS XXXの15段階に分かれています。ランクの上げ方は当ギルドから出すクエストをいくつか行っていただくとあげることが出来、ランクが高いほど受けることが出来るクエストや受けることのできるクエストの最大量が増えていきます。クエストの受付はギルドに入って右手側にある魔道具にて達成可能なモノを受けることができ、受けると札が発券されます。それを受付で渡すとクエストについての確認があり完了か否かや報酬の受け渡しをします。」

へぇー、あくまで制限はあるんだ。

「またこちらのカードは身分証の代わりにもなるため、町の出入りの際に掲示いただけるとスムーズに出入りが出来ます。なお、ギルドカードを偽ることはできませんので相手が掲示してきた場合は信用していただいて構いませんよ。」

「なるほど、ありがとうございます。」

「いえいえ、これが私たちの仕事ですから。あと、このギルドカードはほかのギルドに掲示していただけたらカードを統合してくれますので、忘れずに出してくださいね。」

「はい。失礼します。」

簡単に説明をしてもらってからセトの方に向かう。

「お、終わった?」

「うん。」

「じゃあ次は生産者ギルドかな。」

「了解。」

冒険者ギルドを出てから生産ギルドへ向かう。生産者ギルドの紋章は、生産で使う道具がたくさん集まっている感じだった。ハンマーだったりビーカーだったり、針だったり。中で説明を受けたがほとんどは冒険者ギルドと同じらしい。違うのはランクの上げ方が自分が作ったものを一定数納品する感じだった。次にテイマーギルドに向かった。紋章は様々な動物の顔が真ん中を中心に円になっていて、その中央に人の顔のような輪郭がある形だ。人の顔は長めの髪だけど、目や口は掘られていないみたい。完全にマネキンに長めのかつらをかぶせたみたいな形だ。中は冒険者ギルドや生産者ギルドよりも空いていた。主にテイマー系統の職業の人しかいないからだろう。こちらでも説明を受けに受付に向かう。ちなみに噂のギルドマスターはいなかった。多分昔よりも混んでいて、余裕がなかったのもあったのだろう。こちらのギルドランクの上げ方は、冒険者ギルドとほぼ同じだった。違うのはクエストの内容が従魔関連のものだったことだろう。2つクエストを完了できたのでお願いする。


『「竜種をテイムする」  難易度:☆×7

報酬:50000G      竜種用アクセサリー』

『「新種をテイムする」  難易度:☆×12

報酬:100000G      ???      』


この二つだね。

「この二つでお願いします。」

「はい、かしこまりました。そちらの竜がクエスト対象ですね。確認させていただきます。…確認できました。どちらも完了できていますね。こちらが報酬です。」

そういわれて渡されたのは、小さいネックレスと卵だった。ちなみにお金はメニューに入っていったので出されないのだろう。というかまた卵か。

「ありがとうございます。」

「はい、あ、ギルドランクも上げておきましたからあとでご確認ください。」

「はい、失礼します。」

とりあえずユオンの首にネックレスを付けてからセトのもとに戻る。

「お帰り、って卵もらったの?」

「そう。報酬だって。詳細は落ちつけるとこで確認する。」

「そっか。じゃあ、おちつけるところいこっか。」

というわけで再びカフェに戻る。

「それじゃ確認してみる。」


『「竜魂鋼のアミュレット」  品質:良    レア度:超レア

全ステータス+25 

とある竜人がこの先の厄を潜り抜けながら進んでほしいという願いを込めて作成させたアミュレット。竜種しか装備できない代わりにステータスを上昇させる。』

『「??の卵」 残りMP ???/???

完全にランダムの卵。何が出てくるのかわからずどのくらいMPを込めれば孵化するのかもわからない。込めたMPの最大量に比例して珍しいor強い従魔になりやすい。』

『「ギルドカード」   品質:良       レア度:コモン

一般的に使われているギルドカード。[カナタ]の情報が刻まれている。インベントリに入るのではなくステータス欄の方に入るので圧迫することもない。


冒険者ギルド「G」

生産者ギルド「G」

テイマーギルド「D」   』


うん。ほとんどわかんないね。テイマーギルドのランクがすごい上昇してるけど。

「へぇ~、結構ランク上がってるんだね。僕でも最高のやつは「E」なのに。それに卵はほんとに謎だね。毎日やっていくしかないんじゃない?」

「そうだね。毎日入れておくよ。スキルを使わなくてもテイム状態になってるっぽいし。」

「そっか。それじゃあそろそろ外行く?カナタも戦いたいでしょ?」

「そうだね。昨日はユオンが全部倒しちゃって何もできなかったし。」

「それじゃあ行こうか。」

そういって外に出る。昨日できなかったけど、このあたりのモンスターにどのくらい通用するか楽しみだな。

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