第6話 初めての仲間?
先ほどここへ転送されてきた時と同じように強く発光しながら魔法陣が現れ、何かの影が見えた。様子を見ようと視線を向けると、
「あれ、卵?」
卵があった。そう卵である。攻撃してくるような野生動物的なものが出るのかと思いきや、無理そうならくれるとアンナさんが言っていた卵である。
「え~、と。テ、【テイム】?」
ピロン♪
『「■□の卵」をテイムしました。』
アナウンスが流れてテイムが成功したことがわかる。「■□」の部分は聞き取れないし、ログでも確認できなかったけど。
「これでいいんですかね?」
「あ、はい。大丈夫だと思います。今まで卵は出てこなかったので驚いてはいますけれど。」
とりあえず【鑑定】。
『「■□の卵」 残りMP 1000/1000
■□の卵。MPを込めることで孵化させることが出来る。
残り1000MPを込めることで孵化。』
情報が全然ないな。とりあえず何が生まれるかはまだわからない感じかな?
「少し予想外の事はありましたけれど、チュートリアルを再開させていただいても構わないでしょうか?」
「だいじょうぶです。」
とりあえずこの卵は放置なのかな?
「アンナさん、卵はどうすればいいでしょうか?」
「そうですね。では、触れていただいて回収するイメージを持ってください。」
言われてみたとおりにすると卵が細かい粒子になって消えた。
「あれ、消えちゃいましたけれど。」
少し声に焦りが浮かんでいるがしょうがないだろう。
「それでは『メニュー』と言うか、頭で考えてください。そうすると、メニュー画面が現れます。その中のインベントリに入っていると思いますよ。」
「あ、入ってますね。っと、ほかにもステータスやフレンドとかもメニューで確認できるんですね。」
「そうですね。しかし、インベントリに入るのは、自身の種族LV×10枠分しか持てないので気を付けてください。課金すれば容量を増やせますがレベルを上げても今のところは、最大1000枠のものまでしか持てません。のちのアップデートで増えるかもしれませんけれど。武器等は無理などの制限はありますが、大体な素材アイテムならば、一枠99個までなら所持可能です。」
「へぇ~、そうなるとレベル上げって重要なんですね。」
「そうなりますね。それではチュートリアルに戻りましょうか。次は【光魔術】ですかね?」
「そうですねお願いします。」
「【光魔術】の最初の内包スキルは、【リトルイルミネイト】と【ライトショット】ですね。はじめに【鑑定】していただけますか?」
「わかりました。」
『【リトルイルミネイト】:小さな光源を生み出し辺りを照らす。自身の半径一メートルの範囲ならば動かせることが出来る。なお、影が出来ることはない。
消費MP:発動時5 発動中10秒につき1 クールタイム:1分』
『【ライトショット】:光属性でできた小さな球を飛ばし、攻撃する。
消費MP:5 クールタイム:30秒』
『【鑑定】のレベルが上昇しました。』
あ、【鑑定】が上がった。
「できました。」
「了解しました。では【リトルイルミネイト】にしましょうか。とはいっても、ただ発動しようと念じながら唱えるだけなので簡単なのですけれど。しかし、発動時には自身の力での移動中は出来ません。簡単に言えば歩いたり走ったりしてる時は無理です。けれど何かの自動的に動く乗り物...
なるほど。【鑑定】の声ありバージョンが詠唱代わりなのかな?そしてまぁ移動中は発動できないと…まぁ待ち構えてからの攻撃とかならできそうかな?とりあえずはやってみるとして…
「【リトルイルミネイト】」
唱えると、目の前に直径5㎝ほどの光球が出てきた。
「うわっ!へ~、これが魔法か。面白いね。」
「一応、まだ魔法ではなく魔術に分類されますけどね。また、今はチュートリアルということでMPが消費されていませんけど、チュートリアルが終わるとMPは消費されますので気を付けてくださいね。」
なるほどね。ん?というか、今はMPが減らないのであれば、
「ねぇ、アンナさん」
「はい、どうしましたか?」
「いや、今ここではMPが減らないと言っていたんだけどさ、今から卵にMP入れる?注ぐ?事ってしていいのかな?」
「あ、どうでしょうね。まぁ、規制?みたいなものには引っかかることはないので大丈夫かと。」
「そうですか。じゃあ、入れても大丈夫ですか?」
「はい。かまいません。」
とりあえずアンナさんには許可をもらえたので、ストレージから卵取り出す。
「じゃあ、注いでいこうと思います。」
そう言ってから、MPを注いでいく。5分ほど入れ続けて、やっとひびが入り始め、さらに10分が経過したころ、辺り全体が白い光に覆われ、目の前が見えなくなった。
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