第3話 設定へ(前編)

 <BMW>と<ESO>を受け取った後、聖護は、気を付けるべきことなどをメモして帰っていった。

「さて、それじゃあ、設定やりますか。」

<BMW>をつけて、ゲームに入るための言葉を紡ぐ。

「『リリース』」

その言葉を発したとともに、自分の意識が途切れた。



__________________________________________________________________



「目を開けてくださーい。おーい。」

子供のような声が聞こえてきた。その声とともに自分が寝ていることに気付き目を開ける。

「ん~、ここは」

目を開けるとそこは、真っ白な空間であった。周りを見渡してみるが誰もいない。

「あれ、確かに声が聞こえたんだけどな?」

「いますよ?」

急に真後ろから声が聞こえた。

「うわ!だれ?」

後ろを振り返ると、真っ白なドレスを着たちっさい妖精みたいなのがいた。金髪で水色の瞳をしている。

「え~と、ほんとに誰ですかね?」

「あ、自己紹介をしていませんでしたね。ナビゲーションピクシーのアンナと申します。以後お見知りおきを。」

そう言ってきれいなカーテシーをしてきた。お嬢様がもとになっている感じなのかな?

「あ、夜十神栞暖です。こちらこそよろしくお願いします。」

少しお辞儀をしながらも自己紹介をする。

「はい、夜十神様ですね。では夜十神様、キャラメイクに移りたいと思います。キャラメイクでは、<BMW>にて、全身をスキャンすることで、現実の姿をもとにして作成するやり方と、こちらが用意したものを選択して作成する二つの方法がございますが、どちらがよろしいでしょうか?」

「えーと、では、現実の姿を基にするやり方で。」

自分の体形は…まぁ結構低めけど多少高いところに届かないだけだし、別に顔に不満があるわけでもないから、こっちでいいだろう。

「はい、では現実の姿を基にするやり方ですね。

・・・・・・

終わりました。目の前に出しました姿で間違えありませんか?」

目の前に、目に少しかかりそうな長さの前髪と肩ぐらいまである黒髪で黒目の中性的な見た目の現実世界での自分栞暖が現れた。

「はい、間違えないですね。」

「よかったです。では、ここからいじってもらっても構いません。しかし、性別の変更などはできず、身長もプラスマイナス5㎝のみでしか変更できません。」

「了解です。」

さて、どうしようかな。



_________________________________________________________________




「よし完成。」

「こちらの設定でよろしいですか?」

「お願いします。」

出来上がったのは、腰まである銀色の長髪に右目が水色と左目が黄色のオッドアイという容姿をした人物だ。身長は、マイナス2㎝で、145㎝にした。小さくなる分には平気だが、高くなると実際に体験したことないし動かしにくくなるだろうと思ったからだ。⋯まぁ身長が伸びてくれても良かったんだけどね⋯

「では次にステータスを設定してください。わからないところやアドバイスが必要なところがありましたらお伺いください。また、ステータスについては、お分かりいただけると思いますが、この世界独自のものでBP、SP、LPがございます。それぞれ、BPがボーナスポイント。称号等を獲得した際や、何らかのイベントをクリアしたさいなどに取得可能です。SPとLPに変換可能で、それぞれSPなら2ポイントにつき1ポイント、LPなら1ポイントにつき1ポイントにすることができます。次にSPがスキルポイント。基本的なスキルを取るのに必要で、スキルの進化やスキルの強化、スキルの取得条件の一部などに必要です。種族レベルが1レベル上がる毎に1ポイント入手できます。

最後にLPがレベルポイント。ステータスを増やすのに使用され、1レベルにつき3ポイントもらえ、5レベルごとに追加で6ポイント貰えます。」

「了解です。ありがとうございました。」

さて、どうしようかな。聖護からもらったメモによると、

〔ステータス設定〕

スタータスには、STR物理攻撃力VIT物魔防御力INT魔法攻撃力AGI敏捷力DEX器用力LUC幸運値HP体力値MP魔力値があるらしい。それぞれ、

STRが物理攻撃力。矢の攻撃力もここの数値を参照して処理される?

VITが物理・魔術を使った攻撃に対する防御力?

INTが魔術による攻撃の時に参照される?

AGIが敏捷力?現実の速さより速くする?

DEXが器用値?ものづくりを行うために必要とされる?身体の操作にもAGIが高すぎた場合の影響等もあったので操作性にも影響が?

LUCが確率に作用する?ドロップ率の上昇や宝箱に入っている物が良いものになる確率が上がる?ベータ時には、テイマーなどはなかったがあるならテイム率などの確立にも作用される?

HP…ヒットポイント。0になるとゲームオーバー。

MP…マジックポイント。魔術やスキルを使う際に使用される。

という考察が建てられているらしい。運営側は簡潔にしか教えてくれないからあやふやになってるみたいで、種族によって初期の設定値は違うけど、振り分けによっては同じようなステータスにすることが出来るっぽい。しかし得意不得意は出るらしくて、若干補正度は違うらしい。また、初期メイクの時に〖人間〗なら、すべてに10ずつ振られているから、それに、百ポイントを振り分けるとのことだった。とりあえず何も設定してないと、

[・・・(名前)] 〈・・・(職業)〉 〖人間〗  LV.1

HP 500/500   MP 100/100

STR 10  

VIT 10

INT 10 

AGI 10

DEX 10

LUC 10

残りSP 10

残りBP 0

残りLP 100

らしいので、ここから振り分けていく感じらしい。種族はそのまま人間で行くとして、そこからが問題だよな。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る