第2話 急展開
「それじゃあ」
「うん終わり、家への帰る途中で聖護と別れる。
「ただいま」
「おかえりなさ~い」
リビングの方から母さんの声が聞こえた。
「母さん、そーいえば小学校中学年くらいに約束した一人暮らしの事について聞きたいんだけど。」
「あら、やっと思い出したの?」
「え?」
イタズラ気な顔をしながら母さんが言う。
「修行とかで忙しかったのもわかるけどなかなか言い出さなかったからね~。一人暮らしの事はどうでもいいと思っていたのだと思っていたのだけれども、一人暮らししたいならする?」
「え~と、一言ぐらい入学式の時に教えてくれてもよかったんじゃないの?」
「それだとつまらないじゃない♪」
「つまらない…」
そーいえば、母さん…夜十神
「はぁ…まぁ、いいや。
うん。一人暮らしはしたいしお願いできる?」
「おっけ~♪
どんな家かは私が決めちゃっていいの?」
「うん。
お金はさすがに出してくれるんだし贅沢は言えないからね。」
「よし。んじゃ今から送る住所に行ってねー。もうそろそろ聖護君が
心底楽しそうに母さんが言った。
(今までの会話の意味とは(苦笑)?)
「というか、言わなかったらどうするつもりだったの?」
「それは、親戚の誰かに渡したんじゃないかしら?まあ、言ってくるのは何となくわかってたから意味のない仮定話になっちゃってるけどね~♪」
「はぁ、まあいいや。
オッケー。ここに行けばいいんだよね。」
「そうよ。あ、荷物は最低限そこのスーツケースの中に入れてあるから。私物がそんなになくて助かったわ♪」
視線を指を指された方向に向けると確かにスーツケースが2つ置いてあった。
「確かに私物は本ぐらいしかないけどさ。
生活用品とか服とかはどうするの?」
「それはもう、向こうに送ってあるわよ。自炊ができるのは栞の趣味なんだから知ってるし、野菜とかは冷蔵庫の中に入れてあるわよ。ついでに服とかも新しいのを買っておいたから。」
(それこっちが言う前から行くの決まってたってことになるよな~。)
「はい、それじゃ行ってらっしゃい♪
たまには帰ってくるのよ。」
そういって母さんがスーツケースを渡してくる。
「はぁ、うん。行ってきます。」
そう言って家を出た。
―――数分後―――
「確かに家を任せたのは俺だけどさ。これはやりすぎなんじゃない?」
渡された住所についた初めの感想はそれだった。
目の前には高級であろうタワーマンションがあり、住むことになる家…部屋はその最上階なのだという。
「うん。とりあえず部屋に行ってみようか。メモによると、スーツケースの中にかぎが入ってるみたいだし。」
普通のカギかと思って探してみれば、見つかったのは黒い光沢を放った高級感あふれるカード。
「うーん。母さんは何でこんなに豪華な部屋を?(苦笑)」
その理由を栞暖の知る由ではないのだが、実際には
「とりあえず部屋に行った後に聖護に連絡かな。いや、その前に母さんについたと連絡するのが先かな。」
エレベーターに乗って最上階にあるこれから自分の家になるところに向かう。
「中はやっぱり広いな。それにたぶん今日の朝までにあった私物が設置されてるのを見ると、今朝に来たんだろうね。とりあえず、コンコミュで母さんと聖護に連絡かな。」
しばらく持ってきた荷物の整理をしてると返信が来た。母さんからは、『頑張ってね~』という返事が来ており、聖護からは、許可が下りたことに対してのおめでとうという言葉と、家がどこなのかという返事が来ていた。
「『家は、下に住所書いとく』っと。」
しばらくしたら、インターホンが鳴った。
「家の鍵は開けておくから、来たら、部屋に入って。」
そこからすぐに聖護が家にやってきた。
「おじゃまします。栞暖、めんどくさいのは仕方ないけど、ちゃんとカギはかけたほうがいいよ。」
「はいはい、わかったよ。」
「はぁ、ちゃんとしといてよね。というか、ここって、結構なマンションの最上階だよね、よくこんないいところ空いてたね?」
「あー、それは母さんが、いつの間にかとってたらしいんだよね。今日に話し持ち出すこともわかってたみたいで、今朝のうちに荷物をこっちに出してたし。」
「あー、なるほどね。佳読さんはたまに未来見てるのかってくらいさえてる人だしね。さて、とりあえずこれが<BMW>と<ESO>ね」
そう言って渡してきたのは、頭をすっぽり覆うような
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