転移先の出来事
第2話 転移した先はPCレベルの概念が無い世界だった
「ハッ!」
気が付くと俺は森の中にいた。
周りはとても明るい、少なくても夜ではなさそうだった。スクっと起き上がる。体に異常がないか調べる。異常はない。あるとすれば。
「なんで……メールを返信しただけだぞ!?どうなってるんだ?」
焦りの中、俺はある話を思い出す。
小説やマンガ、ゲームではおなじみのテンプレ、そう……。
「い、異世界転移!?」
新たな冒険ってそう言う意味かよ!せめてそう言う文くらい書けよ!送り主不明だけど!!
「俺が読んだことあるマンガの状況は大抵魔術師とかに召喚されるパターンがあったんだが……まさかの女神とかの加護とか、魔術師による会話のパターンとかじゃないのかよ」
今の俺は孤立無援の状態。何かないかと探る。
試しにステータスと小さい声で言うと、青い窓のようなものが開かれた。恐らくステータスウインドウだろう。
名:トーマ
ジョブ:
HP:100/100
SP:40/40
熟練度
剣・大剣:1 斧・棍棒:0 弓・機械弓:1
銃・砲:1 錫杖・聖鈴:0 魔術(炎・爆発):1
魔術(水・氷):0 魔術(地・重力):2 魔術(風):1
魔術(闇・獄):2 魔術(光・無):1
スキル
無し
装備
Weapon:E「
SideWeapon:E「貫通散弾銃(サイレンサー装備)」
Armor:E 無し
Accessory1:E 無し
AccessoryⅡ:E 無し
装備枠が少ねぇ……しかも防具が装備されてないという。
そう言えば俺は半そで短パンの服装でPCを弄った状態だったから無し判定になったのか?しかも連盟の武器を装備してるし……まるで一部引継ぎした状態のデータだよ……。
そしてスキルが無い、レベルが無いし、熟練度がほぼ初期値の状態だ。
引き継いだのはアイテムぐらいか?でも感覚的に、プレイヤーの俺自身が異世界に転移したわけだ。夢でもゲームの続きじゃない。紛れもなくリアルだ。
気になったのは俺自身にレベルが無い事だ。熟練度にレベルがあるのに装備品、及びプレイヤーレベルの概念を無くしたんだろうか?謎が深まるが、どうやってステータスを上げるんだ?
試しに武器を取り出し、
「あれ?予想とは違って軽いぞ?もっと重いのかと思ったんだが……」
確かツヴァイヘンダーの重さって2~5kgのクッソ重い大剣だったよな?
ちゃんと刀身の根元にリカッソ(刃が付いていない革に覆われた部分)がある。
両手剣なんだが、この重さから片手でも行けそうな気がする。
「素振りしてみるか」
持ち手部分とリカッソを掴み、大剣を構える。
最初に横振り、というより薙ぎ払いだな。特に自分が引っ張られるようなことはない。次に突き、特に重くて手放すようなことは未だに起きてない。
「後は……実践して経験を積むぐらいか?」
防具を着なきゃならないが。果たしてそれも持ってるだろうか?
アイテムを確認すると、【傭兵長の鎧】という防具があった。
確かこれはレアアイテムじゃないものの、それなりの防御力に期待できる防具だったな。兵長の鎧だから金ピカの鎧を想像する奴もいたが、実のところただのミスリル製の鎧だ。一応魔術耐性があるが、そんなに高くはない。
だが、背に腹は代えられない。装備しよう。
「よし、装備っと」
装備を選択した時だった。着ていた服の上に鎧が実体を現わし、自動的に装備された。まるでSFのパワードスーツみたいだ。
着心地は悪くないが、歩くたびにガシャガシャと音が聞こえる。装飾品は後にしよう。まずはこの森を出ることが最初の目標だ。
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